凍てつく北半球 シベリアで「氷点下58度」サハラ砂漠は「史上5度目の雪」
今冬は日本でも厳しい寒さが続いていますが、世界を見渡すと、呆気にとられるような低温が記録されています。
18日(月)にはシベリアのデリャンキルで、マイナス58.1度という凄まじい気温が観測されました。おそらく北半球の今季一番の低温でしょう。さらに「世界の寒極」として知られるベルホヤンスクでも氷点下57.8度まで下がって、今シーズンもっとも寒い朝を迎えました。
これらの気温が観測された地域では、12月中旬から厳しい寒さが続いており、AP通信によると、過去14年間でもっとも長い寒波に見舞われているといいます。
サハラ砂漠の雪
寒気はアフリカ大陸にも及びました。
サウジアラビアの砂漠には雪が降り、下の写真のような砂と雪の幻想的な光景が広がりました。アシルという地方ではマイナス2度まで冷え込んで、およそ50年ぶりに気温が氷点下となったもようです。
またアフリカ大陸アルジェリアのサハラ砂漠でも、下の画像のように雪が積もりました。その場所はアインセフラという小さな町で、別名「砂漠の入り口」とも呼ばれています。標高が約1,000メートルと高いために、1月の最低気温の平均は氷点下0.3度まで下がります。このようにアインセフラはアフリカでは珍しく冬季は冷え込む場所ですが、乾燥した土地のため、雪が降るのは非常に稀です。
これまで雪が降ったのは、記録に残っているもので、1979年(2月)、その後およそ40年のブランクをあけて、2016年(12月)、2017年(1月)と2018年(1月)でした。つまり今回の雪は、過去42年間で5回目と言えそうです。
北半球の低温記録
このように北半球では稀に見る寒さとなっていますが、これまでの低温記録はどのようなものだったのでしょうか。
実は昨年9月、世界気象機関がその記録が新たに認定しました。
その記録というのは、30年前にグリーンランドで観測されたマイナス69.6度です。1991年12月22日に、グリーンランド氷床の頂上部、高度3,100メートルにある観測所で記録されました。
新たな記録が樹立されたことで、それまで1位であったシベリアのベルホヤンスクとオイミャコンのマイナス67.8度の記録が2位に転落しました。
なお世界の最低気温の記録は、南極ボストーク基地のマイナス89.2度(1983年)ですから、北半球の寒さは南極のレベルには到底届かないようです。