冬はやっぱり温泉!北陸最古の温泉地にあるホテルで楽しむ日本海の海の幸と加賀の山の幸
旅行・グルメ・おでかけライターのsatochinです。
寒い冬の季節には、何よりも温かい温泉が心地よいものです。北陸最古の温泉地として知られている石川県小松市にある粟津温泉。2024年にリニューアルされたばかりの「満天ノ 辻のや」で、温泉と冬の味覚を楽しんできました。
リニューアルオープンした「満天ノ 辻のや」
開湯1300年の歴史を持つ粟津温泉は、小松空港または加賀温泉駅からタクシーで約20分の場所に位置しています。泉質は血管拡張作用に優れたナトリウム硫酸塩泉(芒硝泉)で、神経痛、高血圧症、動脈硬化症などに効果があるとされています。
今回利用したのは「満天ノ辻のや」。以前は1956(昭和31)年10月創業の温泉旅館「辻のや花乃庄」でしたが、コロナの影響で2020年6月に休館。2021年7月から「満天ノ 辻のや」として営業を再開しました。
2024年春から施設全体の大規模な改修工事を実施。7月にはエントランス、フロント、プールエリアのリニューアル工事が完了し、その後10月に客室、温泉、ダイニングエリア、そしてロビーラウンジが一新され、11月からリニューアルオープンとなりました。
ラウンジの片隅には男女色浴衣が用意されているので、好みのものを選んでお部屋に持っていきましょう。
和室にベッドの「和モダンツインルーム」
筆者が利用したのはこちらのホテルの標準客室「和モダンツインルーム」。和室にはベッドがあり、洋室の広縁、踏込、浴室、トイレで44平米の広さ。ゆったりと過ごすことができました。
お着き菓子が3種類もあるのは驚き。お茶は加賀棒ほうじ茶だったので、じっくりと味わって飲みました。
大きな窓からは粟津温泉の街並みや庭園の山々を望むことができます。
半纏、帯、湯足袋、バスタオル、フェイスタオルが籠とともに押入れに用意されていて、洗面所には基礎化粧品と歯ブラシセットが揃っていました。
特に感動したのがコンセントの多さ!最近は充電するものが多いのでコンセントが少ないと悲しくなります。延長コードまであったのでパソコン作業もできました。
ベッドはシモンズ製。マットレスのかたさがちょうど良く、体全体を満遍なく受け止めてくれます。旅行の1週間ほど前から腰痛に悩まされていたのですが、久しぶりにぐっすり眠ることができました。
お部屋の入口には廂があり、引き戸とドアが二重になっている凝った造り。老舗旅館ではときどき見かけますよね。エレベーター前の休憩スペースも、座布団まで用意された落ち着く空間となっていました。
自家掘りの源泉を湯めぐりで楽しむ
ホテルの温泉はナトリウム〜硫酸塩・塩化物冷鉱泉(旧泉質名:芒硝泉)。源泉名は辻のや2号源泉。自家源泉です。
大浴場は2ヶ所(3ヶ所ありますが1ヶ所は休業中)。「鴛(おしどり)の湯」と「庭園大浴場 花廻湯(はなかいゆう)」が、隔日で変わります。夜と朝、2回入ると両方のお湯に入ることができます。
鴛の湯の壁は、文化勲章受章九谷焼作家二代目浅蔵五十吉氏が描いた九谷焼大陶壁。鮮やかな色合いと、その迫力に息をのみます。
鴛の湯には、サウナや水風呂もあるので、じっくり整ってください。
花廻湯は、露天風呂、壷湯、座り打たせ湯、岩盤浴、寝ころび湯と、いろんなお風呂を楽しむことができます。
出かけたのは日中雪が降った寒い日でしたので、体全体が寒さでカチコチにかたくなっていました。温泉でじんわり体の芯から温まり、夜にはすっかり全身リラックス。ぬくぬくになって朝までぐっすり眠ることができました。
海の幸と山の幸を味わう食事
なにより楽しみにしていたのが食事です。冬の北陸はおいしいものがたくさん!ワクワクしながら2階の食事会場へと向かいました。夕食・朝食ともに同じ会場です。
夕食 霜月料理
食前酒は小松ぶどうジュース。
組肴には、利休豆腐、松茸菊花和合、子持ち鮎甘露煮、鶉(うずら)玉子柿見立て、紅葉チーズ寄せ、萩真薯、鶉松風焼、栄螺(さざえ)洋風焼。
ちょっとずついろいろ味わて、これだけでお酒がすすんじゃいます。
造里は能登ふぐ叩き、勘八、本まぐろ、甘海老。
実はふぐってあまりおいしいと感じたことがなかったのですが、ここのふぐは歯ごたえがあって、しかも噛むと旨みが感じられておいしかったです。てっさより叩きの方が好みです。
洋皿はローストビーフ。和の中で洋が出てくると舌がリセットされて、また食欲が復活しますね。お肉もレアすぎず、歯で簡単に噛みちぎれるくらいの適度な歯ごたえが残っているのもいい!ジューシーなお肉を堪能しました。
ずわい蟹はオーソドックスにかに酢で。身離れもよくて食べやすい!実は追加料理でかに面や香箱蟹も頼めたのですが、気づいたのが当日で…。前日までに予約するとこの季節ならではの蟹料理も追加で食べられますよ。
油物はさつまいもコロッケ、河豚唐揚、エリンギ唐揚など。さつまいもコロッケはさつま芋の生地の中に塩麹漬けの海老が入っていました。甘さとしょっぱさのバランスが絶妙。
蒸物は里芋饅頭。松茸の香りが口の中いっぱいに広がります。本山葵をとくと味がキリッと引き締まり、革命のような味変。
テーブルで炊き上げる釜めしは、お茶碗によそってから栗と胡麻をふって栗木の子ご飯に。
焼物のノドグロと銀鱈の味噌漬けと一緒にいただきましたが、液体の米(日本酒)にも絶対あいます。お腹の余裕がなくて日本酒は諦めましたが…。
ほっと優しい味の清汁仕立ての汁物も、日本酒同様ご飯とよくあいました。
デザートまで豪華!さつま芋プリン、マロンケーキ、マスカット、メロン。
至福の2時間でした。
朝ごはん
朝食も食べきれないほどのお惣菜がテーブルに並んでいました。温泉玉子は柚子の効いたかつお出汁がかかっています。サラダはロースハムサラダ。
組肴は左からちりめん山椒、能登烏賊麹漬、小松菜お浸し、蛸と大根の旨煮のり佃煮。
かますいしる干しと自家製めぎす天は自分で炙っていただきます。横にちょこっと乗ってた山くらげ味噌もご飯どろぼう。
梶木まぐろと白海老昆布締め。とろけるような食感の昆布締めに悶絶。
台の物の湯豆腐と揚げ豆腐も熱々をいただきます。
田舎味噌を使ったお味噌汁は鶏団子とたっぷりの野菜入り。
1人前の朝ご飯に3個も固形燃料が使われているのですから、どれも熱々で食べ終える頃には汗ばんでしまうほど。
ご飯はなんと3種類!こしひかりと山菜ごはん、おかゆです。当然、全部いただきました。
ヨーグルトと林檎のコンポートのデザートまであって大満足です。お腹いっぱい!くの字になって食事会場を後にしました。
1年の終わりにちょっと贅沢を
今回利用したプランは2食付きで1人 38,500円~円。翠遥亭和室 四季会席プランです。
あっという間に2024年も終わろうとしています。ちょっと贅沢をして、おいしいお料理と温泉で1年の疲れをねぎらい、2025年へのパワーチャージをしませんか?
満天ノ 辻のや
住所 石川県小松市湯上町い18
電話番号 0761-65-1311
公式ホームページ 満天ノ 辻のや(外部リンク)
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