数の子の簡単アレンジ!100円ショップの食材を使って松前漬けやねぶた漬けなど郷土料理を作ろう
旅行・グルメ・おでかけライターのsatochinです。
お節料理にかかせない数の子。残った数の子をそのまま食べてもおいしいですがちょっと手を加えるとお酒のおつまみにもピッタリな郷土料理になります。今回は100円ショップで手に入る材料を使った簡単なアレンジ料理を紹介します。
おいしい縁起物 数の子の魅力
お正月のおせち料理で一の重にかかせない数の子。ニシンの卵である数の子は、二親(ニシン)へ感謝し、子孫繁栄の願いが込められています。
他にも、風水で金の運を持つ黄色の数の子は、金運アップやポジティブ思考や向上心を持ちたい人をサポートするのだとか。カナダでは天使の羽に似ていることから「エンジェル ウィング」とも呼ばれているんですよ。
江戸時代は「カツノコ」とも言われ、「勝負に勝つの子」とかけて受験や試験などの縁起物とされていました。ニシンは俳句で春の季語ともされる春告魚。数の子を食べることで受験に勝ち、春を迎えられそうですね。
健康面でも数の子に含まれているEPAやDHAは体に吸収されやすく、血液をサラサラにしたり、脂肪の燃焼を促し、血管や脳、神経系の健康を改善することが期待できます。
日本以外ではカナダ、アラスカ、ロシア、ヨーロッパでも水揚げされている数の子。最近人気なのはカナダ産です。パリパリとした歯ごたえと食感、天の羽のような形、鮮やかな黄色と、見た目も味も良いことから高く評価されています。日本でもカナダ産の数の子を日本で加工したものが販売されています。
数の子を使用した郷土料理
数の子は、そのままポリポリ食べても十分おいしいですが、せっかくなのでちょっとひと工夫してみませんか?日本全国を旅している筆者が、各地で食べたおいしい郷土料理を再現してみました。なるべく工程を減らし、100円ショップで購入できるものを代用したお手軽時短レシピです。
北海道 松前漬け
数の子を使った料理で代表的なものといえば松前漬け。北海道松前町の郷土料理です。江戸時代ニシン漁が盛んだった松前藩(現在の松前郡松前町)で、当時大量に余っていた数の子を冬の保存食にしたのが始まりだと言われています。昆布とスルメから出た旨味と独特の食感で、ご飯とお酒、どちらにもよくあう一品です。
漁師をやっている親戚が以前松前に住んでいて、小学生の頃、夏休み中の1週間を松前で過ごしたことがあります。今年の夏、40年以上ぶりに松前を訪れ、当時を思い出しながら歩いてきました。子どもの頃、親戚の食卓に出てきた松前漬け、今も大好物です。
家でもよく作っていて、お手伝いさせられていました。かたいするめをハサミで切るのが大変で大変で…。というわけで今回は手抜きして、100円ショップでおつまみ用のいかそうめんときざみこんぶを購入。さらに味付け用の麺つゆも買ってきました。松前漬けのタレは醤油、お酒、味醂、お砂糖が基本なので麺つゆで代用できます。
数の子の塩抜きは、40度の塩水(1%濃度)に1時間、40度のぬるま湯に1時間、お湯をかえてさらに1時間。
人参を千切りにします。
鍋に麺つゆと水を1:1で入れて沸騰させ、あら熱をとっておきます。
調理らしい調理といえば、それくらい。あとは、チャック付きポリ袋に数の子、イカソウメン、きざみこんぶ、人参、あら熱のとれた麺つゆ、鷹の爪を入れ、一晩冷蔵庫で寝かせて完成です。
※食感を良くしたい人は数の子の薄皮を取って使いましょう。
食べたい時に食べたい量だけ、すぐに作れます。松前漬けは残ったら、小さくカットして混ぜご飯にしてもおいしいですよ。
青森 ねぶた漬け
松前漬けが津軽海峡を渡り、青森に行くとねぶた漬けに変わります。
松前漬けとの違いは、大根や胡瓜が入っていること。胡瓜は輪切り、大根は角切りにし、10分ほど塩もみしてから、数の子、イカソウメン、きざみこんぶとあわせて、松前漬けのときと同じ希釈した麺つゆを入れて漬け込みます。野菜は1日ほどじっくり置いておいた方が味が染みておいしくなります。
今回、イカソウメンがたりなくなったので、同じく100円ショップで購入してきたサキイカも入れました。
松前漬け、ねぶた漬け、どちらも100円ショップ購入したMサイズのチャック付きポリ袋を利用。麺つゆと水は50ccずつあわせて100ccです。
新潟 山海漬け
新潟県には数の子の使用した山海漬けという郷土料理があります。こちらの味のベースは酒かす。残念ながら100円ショップに酒かすは売ってなかったので、スーパーで購入してきました。
材料は数の子と大根、胡瓜、人参。海の幸の数の子と山の幸の野菜が入るので山海漬けなのだそうです。
野菜はカットしたら塩をふり、できたら一晩寝かせます。数の子、野菜、酒かす、日本酒、味醂、ワサビ(チューブのものを使用)をチャック付きポリ袋に入れ、3日間漬け込んで完成です。
酒かすは今回60g使用。そのほかの調味料は味を見ながら。味醂ではなく砂糖の方がしっかりとした味になりそうですが、この日なんと砂糖を切らしていました!なので少しゆるめに仕上がりました。
こちらは日本酒のアテとなりますね。
そのほか、数の子を使った郷土料理としては、福島県・長野県の「豆数の子」、山形県の「数の子豆」新潟県の「数の子ハリハリ」などがあります。豆と数の子の組み合わせも縁起良さそうですよね。
ニシンは北海道から北前船で関西などにも運ばれていたのに、東北より南で数の子を使った郷土料理がないのも不思議です。
その他の数の子アレンジ
上では塩抜きした数の子を使ったアレンジレシピを紹介しましたが、味付きの数の子の場合、そのまま料理に使えるのでさらに手軽にアレンジできます。
筆者はおにぎりにしちゃいます。
数の子とおかか、白ごま(もしくは炒り胡麻)を混ぜてにぎり、海苔を巻いたら完成。
コツは数の子を小さくカットすること、数の子を入れすぎないこと。欲張るとバラバラ落ちてきちゃうので。
他にはは、クリームチーズとあえて「数の子チーズ」、ポテトサラダに入れて「数の子ポテトサラダ」、パプリカや玉ねぎの薄切りと一緒にチャック付きポリ袋に入れ、オリーブオイル、塩こしょうで味付けして1時間「数の子のオリーブ漬け」などを作ります。
手抜き・時短・お気楽主婦のレシピですが、ちゃんとしたアレンジレシピはCanadian Pacific Kazunoko Association(カナディアン・パシフィック・カズノコ協会)のサイトが参考になります。
Canadian Pacific Kazunoko Association(外部リンク)
回転寿司で数の子がまわっていると、思わずとってしまうほど数の子が好きな筆者。最近、年越しは家族で温泉で迎えるようになり、お節を作らなくなりました。でも、お正月明けの半額になっている数の子を見かけると、ついつい買ってしまいます。来年のお正月も楽しみです。
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