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2025年テレビアニメ化!2021年末放送の「空色ユーティリティ」短編の2つのシーンを深読み

野洲明ゴルフ活動家

2025年に「空色ユーティリティ」がテレビアニメ化する。同タイトルは2021年12月31日に約15分の短編がTV放送された。

その短編は、放送後YOUTUBEで無料公開されている。

主人公、ラウンド3回目の女子高生の美波と、年上の遥、彩花とのコースラウンドを描いおり、観た人が「やっぱりゴルフっていいな」「ゴルフ楽しそうだな」と感じる物語になっている。

この短編の中で、2つのシーンや描写について深読みしてみた。

まず、以下の関連記事の中にある短編を観てほしい。

<関連記事>
2025年アニメ化!「空色ユーティリティ」短編の見どころ(GOLFERS SUPPORT)

実は第5打でスーパーショットをしていた!?

パー4のスタートホールで美波はOBを打つ、そして、残り100ヤードのプレイング4からの第4打はチョロで4~5ヤードほどしか飛んでいない、というシーンがあった。

そして、グリーン上にシーンは移り美波は3パット。そのホールのスコアは8とのこと。

3パットで8ということは5オンである。5オンということは、プレイング4から第4打でチョロを打ったあとの、残り100ヤード弱の第5打が、かなりのグッドショットだったということになる。

第4打の前に「練習場でなら、たまにこれぐらい飛んでた」という美波のセリフがあるのだが、その‟たまに”が起きたのだろうか。

同じく第4打の前に「私も気持ちよく飛ばしたいなぁ」という美波のセリフがあるのだが、気持ちよく飛ばした、のだろうか。

であるなら、なぜ、そのグッドショットのシーンが無かったのか。

おそらく、理由は美波の第5打はグッドショットではなかった。

「会心の当たりはしないだろう」と、飛距離的にギリギリの番手は諦めて、もう少し長い番手に持ち替えた。そして、良い当たりではなかったもの、ボールの転がりにも助けられて結果オーライでグリーンオン。といった感じで5オンしたのではないのだろうか。

打ち上げの傾斜

最終ホール、美波の残り100ヤードから3打目。ユーティリティで良いショットをしてグリーンオンすれば、念願のパー奪取の可能性が出てくるシーン。

結果は会心のショット。

タイトルの「空色」と「ユーティリティ」が絡み合うシーンである。空に向かってボールが飛んでいく、爽快なシーンだ。

しかし、問題はこの第3打目の状況である。打ち上げなのだ。

打ち上げの場合、ボールが飛んでいく‟さま”が、空に放たれる感じになりにくい。

足場(ボールのライ)も左足上がりであれば、ボールの高さが出やすいため、打球と空が重なる絵はイメージできるが、このシーンでは、足場(ボールのライ)はフラットである。

フラットな足場×打ち上げ、では、ユーティリティでボールが高く上がった感じのショットを打つのは、女性ならなおさら難しい。

なのになぜ、このラストシーンの状況をこうしたのか。

美波がグリーンに到着したときに、カップに寄っているボールを見た時の感動の描写を優先したのではないだろうか。

グリーン面が見えると、ショットがグリーンオンしたかどうか、ピンに寄ったかどうかはすぐに分かる。

だが、打ち上げでは、グリーン面が見えないため、それらがわからない。

その特性を利用して、「グリーンオンしたのか、どうなんだ!?」という心の揺れを創り出し、美波がグリーンに到着して、ピンに寄っているボールを見た時の破顔を、この物語の見せ場としたかったのだと思う。

ゴルフ女子を描いたアニメに期待大

プロゴルフ界では、若い女子プロゴルファーが活躍しているが、まだまだ、ゴルフ=おじさんの道楽、というイメージが強いように感じる。

だから、‟おじさん”の対極にある‟若い女子”のゴルフを描いた物語には期待してしまう。無条件で応援してしまう。

2025年が待ち遠しくなってきた。

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ゴルフ活動家

スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとに、論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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