「ロンドンブーツ1号2号」会見、配られたチラシの意味
お笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村亮が相方・田村淳とのトークライブで仕事復帰し、その後、復帰会見も開いた。
筆者はライブにも入り、当然、会見にも足を運んだが、あらゆるところに“心”が見える場だった。そこをフィーチャーした取材メモを3つピックアップしてみる。
●ライブスタート。定刻通り午後5時半開始。会場が暗転し、出囃子が流れ、最初出てきたのは赤髪の淳。赤髪が見えた瞬間、0コンマ何秒で「また一から出直す」「コンビとしてガッチリやっていく」「相方へのエール」といった思念が混然一体となり、一気に会場を支配する。もうその時点で、ライブの成功は確定。
●そこから約6分、淳一人の“前説”。「今から金髪の男が出てきますけど、なんせ、半年ぶりにお客さんの前に出ますんで、かなり緊張しております。なので、皆さんのお力で温かく迎えていただきますと、金髪の男がスッと戻れると思いますので」。会場をあたため、音の出やすい拍手のレクチャー、「待ってました!」などの掛け声の練習などを巧みにやり、会場の雰囲気を120点に。再び舞台袖に戻り、今度は出囃子とともに二人で登場。
●ライブ後の会見。淳の強い意向で、昨年、亮と宮迫が会見をした場所での開催。ただ、会見場としては非常に手狭でテレビカメラなどでパンパン。午後8時からの会見だが、直前になっても、記者の誘導がスムーズにいかない。会見場に何となく“いら立ちの空気”も流れる。そのあたりで、いつの間にか淳が会見場にマイクを持って登場。「僕がここでやりたいと言ったばかりに、こんな狭いところで本当にすみません…。僕も株式会社LONDON BOOTSの社長としてこの会見を運営する側でもありますので、お手伝いをさせてもらいますね!」と空いたスペースに記者を誘導したり、記者イジリを連発。一気に会見場の雰囲気がマイルドになり、そのまま会見に突入。
昨年7月、芸能史に残るようなセンセーショナルな会見を宮迫博之と行った亮。そこからあらゆるものが変わり、自らにも、仲間にものしかかってきた。
全く同じ場所でもう一回会見をやる。当然、精神的に大きな負担が予想される流れだが、そんな相方に対し、ライブでの前説よろしく、会見でも“前説”を買って出る。結果、実際に、会見は和やかな空気からスタートし、厳しい質問にも、亮はしっかりと地に足をつけて、自分の言葉で話していた。
また、筆者が淳の思いを強く感じ取ったのは会場のイスに置かれていたチラシだった。
淳が社長を務め、亮も所属する形になっている「株式会社LONDON BOOTS」の所属タレントの一人・Vtuberの奏音きらりの宣材チラシ。
会見中も、何度か淳が「ウチの事務所も、いろいろ幅広く所属してますので(笑)」とシャレとして奏音も入った所属タレントのフリップを報道陣に見せたりもしていたが、会見前から「マスコミが集まる場だから抜け目なくPRするよな。さすが事務所社長」というポップな空気が記者の間にも流れる。
もちろん、PRをするというメリットもあるだろうが、筆者が感じた一番の狙いは、会見場の空気のコントロール。
会見での前説もさることながら、会見が始まる前から、実は、そこに既にもう淳から“一手”が打たれていた。そう感じた。
ただ、全ては、自らの策士ぶりを見せつけるためではなく、相方・亮のため。結果、全てが“心”に行きつくものだった。