キャンピングカーもEVの時代へ!実用性も備えたEVキャンピングカーに乗ってみた
近年見ることも増えてきたキャンピングカー。
色んな種類の車種が増えてきましたが基本的には燃料がガソリン・ディーゼルでした。
今回はなんと日本初となるEVキャンピングカーが発表されたということで日本初のEVキャンピングカーを見に行ってきました。
感想を言うと、まだ航続距離など技術の進歩待ちの部分はあるが、ガソリン・ディーゼル等には無いEVならではのメリットも実感でき、今後の主流になる可能性を確かに感じることが出来ました。
作ったのはキャンピングカーと車中泊スポットのシェアリングサービスを展開しているCarstayさん。
車の名前は「T-01(タイプワン)」でCarstayのEVキャンピングカーブランド「moonn.」の車両です。
T-01のベースとなっているのはHW ELECTRO社の中型バン「ELEMO-L」です。
現在EV車は普通乗用車、軽自動車サイズは増えてきましたが、「ELEMO-L」のような中型バンサイズはほとんどありませんでした。
そこに「ELEMO-L」が2023年7月末に販売を開始したのを機にCarstayさんが「T-01」を制作したようです。
まずはベース車(ELEMO-L)の状態をチェック
上記はまだキャンピングカーにしていない「ELEMO-L」の車内に棚を入れただけの車内ですが非常に荷室が広いのが分かります。
■荷室サイズ
荷室幅:169cm
荷室高:138cm
荷室長:298cm
荷室が非常に広いので業務用の荷物を置くのにも最適だし、今回のようにキャンピングカー仕様にDIYすることも出来ます。
EVキャンピングカーmoonn. 「T-01」をチェック
まずは外装ですがここはベース車と特に大きな違いはありません。天板部に「ルーフエアコン」が少し出ているくらいです。
全幅185cm
全高204.5cm
全長545.7cm
最大積載量: 1250kg(乗員2名含む)
ハンドル位置: 左(今後、右ハンドルモデルも発売予定)
サイズ感としてもハイエースのスーパーロングに近く特別大きすぎるということもありません。
荷室への入り口は右側にあります。
ドアの形状は珍しく上下に開く跳ね上げ式なっています。スライドドアより静かに開閉が出来るので車中泊をしている際の夜中の出入りなどにはとても良いですね。
あと、荷室側には窓がありません。そのおかげで外装も内装も凸凹が少なくて非常にシンプルになっています。
車中泊仕様にする際には窓を断熱材やカーテンなどで隠す人も多くいるのでこの辺りは好意的に受け取る人も多いかと思います。(もちろん窓から外の風景を見たいという人もいるので好みは分かれると思います。)
バックドアは観音開きタイプです。
大体のバックドアは上にドアが上がるタイプが多いと思いますが横に開きます。
これも好みは分かれますが後ろのスペースをあまり使わないし、片面ずつ開けれるので今までの車とはまた違う使い方が出来ます。
内装はどうなってる?
内装を後ろ側から見ると手前側にはシングルサイズのベッド(セミダブルにも変形可能)
テレビ台+棚などが見え、ちょっとしたホテルのワンルームに見えます。
ベッドの上に寝転がってみましたが十分な幅・長さです。
ちょうど目の前にテレビモニターもあるのでゆっくりテレビ視聴もできます。
ただ、荷室長は約3mあるので実はまだ快適に過ごせるためのスペースがあります。
ベッドの奥(ドアを開けた所)には生活に必要な家電や収納、作業台が用意されており車中泊をより快適にしてくれます。
作業台もスペースは十分とられており、ノートPCなどを置いてリモートワークも出来るぐらいのスペースがあります。
ガソリン・ディーゼルには無い、EVキャンピングカー特有のメリット
私個人的にはEVキャンピングカーの一番のメリットを感じたのはココです。
実は初めての人はやりがちと言われているのですが夏、冬に車で寝る際に基本的にはアイドリングは良くないとされています。
■エアコンをつける際にアイドリングが良くないと言われている点
・エンジン音がうるさい(騒音)
・排ガスの臭いが周囲にも漏れる(臭い)
・寝る時にエンジンがかかって震えるため寝づらい
※夏場・冬場など命の危険を冒すぐらいなら無理せずつけましょう
なのでキャンピングカーでは、夏場であれば窓を開けたり扇風機を付けたり、バッテリーが充実していればエアコンを取り付けて動かす人もいます。(冬場であればFFヒーターという暖房装置を稼働させます)
ただ、EVキャンピングカーの場合だとそもそもアイドリングの際に排ガスが出ないのに加えてモーターが回って振動もしません。そのためカーエアコンをつけたとしても周囲に迷惑をかけ無いのです。
今までのキャンピングカーであれば夏用、冬用でそれぞれの設備投資が必要だったのにその部分がカーエアコンが使えるので設備的にもシンプルにすることが出来ます。
車の車内なのでカーエアコンさえ動かせれば十分、冷やしたり温めたり出来るのでこの部分は車中泊をする人にとっては非常に嬉しいのではないでしょうか。
※もちろん車体を外部充電しながら使用したり、メインバッテリーの電気を使うので残量には気を付かう必要があるなど色々注意は必要です。
もちろん充電は車用の充電ケーブルを正面から差して利用します。(これはメインバッテリー用)
そしてサブバッテリー用にも充電口が側面についてます。こちらは家庭用の電源から充電が可能です。(ほとんどのキャンピングカーにはエンジンなどを始動させるメインバッテリーとは別に居住空間で使う電化製品用にサブのバッテリーを用意しています)
良かった所や課題
今回「T-01」を一通り見せていただいて当初思っていたEVキャンピングカーの良い部分を知ることが出来ました。と、共にもちろん課題もあるのでまとめてみます。
良かった所
1.アイドリング中のカーエアコンが静かに使える
2.居住空間が広くリラックスして過ごせる
3.内装もオシャレ
特にEVの恩恵が強いのが1と2です。
EVにすることで静かに使えるし、カーエアコンが使えることで冷・温にかかる設備が最小限にできます。
私個人も車中泊をすることがありますがこれが更に小さい小型のバンタイプでも使えるようになると軽キャンピングカーの業界にも大きな影響を与えそうだなと感じました。
課題
航続距離270km
充電場所
航続距離270kmは普通の車であれば十分ですがキャンピングカーは旅行などで遠出をするケースが多いと思います。途中充電をする必要が出てくるケースが多いと思うのでそのあたりを旅の休憩ととらえて楽しむのも良いかもしれません。
そこに関連してきますが、今では充電スポットも増えてはいますがまだまだEVカーは普及途中なのでガソリン・ディーゼルに比べて潤沢に充電スポットがあるとは言えません。
旅行の際には充電スポットなどを確認してから行くのが良さそうです。
EVキャンピングカーはこれから増えそう
「T-01」は日本初のEVキャンピングカーということでしたが、今後はバッテリーの進化もありますし、自動車メーカーもEVカーに注力しているので市場はどんどん広がっていくように感じます。
個人的には、設備が限られる軽キャンピングカーでEVが出てくると面白そうだなと感じますがまずはEVキャンピングカー第一号として「T-01」が作られたことでその可能性を感じることが出来ました。
この「T-01」ですが様々なキャンピングカーイベントなどで出展していますのでもし機会があれば覗きに行ってみてください。
また今回の記事を動画版でも作っています。
サイズ感だったりカーエアコンを使っているシーンもありますのでお時間があれば是非合わせてご覧ください。