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認知症の人が喜ぶ会話のコツ3選。初めて介護をする人のために【介護福祉士が漫画でわかりやすく解説】

YouTubeでも漫画と筆者による解説を配信しています。記事の感想や質問もこちらからお待ちしております。

「親が認知症になってしまった」

「介護ボランティアに参加することになった」

などの理由で初めて認知症の人と関わることになったとき、一体どんなことを、どんなふうに話せばいいのか戸惑う人も多いと思います。

認知症といってもその症状は人それぞれ、千差万別です。

さまざまな症状があり、その人に応じた対応が必要です。

とはいうものの、心得ておくべき共通の対応法もあります。

今日は、認知症の人とのより良いコミュニケーションに役立つ、『認知症の人が喜ぶ会話のコツ3選』をご紹介します。

1.笑顔

初めて認知症の人と接するあなたも緊張すると思いますが、それは相手の人も同じです。

ひきつった怖い表情の人が話しかけてきたら、認知症の人でなくても身構えてしまいますね。

まずは『笑顔』で、お互いに楽しい時間を過ごすことを考えましょう。

認知症の人は、最近の出来事はすぐに忘れてしまっても、『楽しかった』『悲しかった』などの、感情の記憶は残りやすいといわれています。

次にあなたと会ったときに、前回の会話の内容は忘れていても、あなたと楽しい時間を過ごしたことは覚えている可能性が大いにあります。

その反対に、叱られたり怒鳴られたりした次の日には、なぜ叱られたのかその理由はすっかり忘れていますが、嫌な気持ちになったことだけは覚えていることがあります。

そのため、認知症の人に家族が接するとき、相手のことを思って、つい厳しい言葉をかけてしまいがちですが、逆効果になることが多いといえます。

まずは笑顔で、お互いの信頼感を十分に育てた上でアドバイスをしたほうが、認知症の人には受け入れやすいといえるでしょう。

2.ポジティブな声かけ

「違う」

「そうじゃなくて」

日常会話の中で、つい相手に対して否定的な言葉で反応してしまうことはありませんか?

認知症の人は『見当識障害』によって、季節を間違えたり、自分がいる場所がわからなかったりすることがあります。

話の内容が明らかに間違っていると思っても、すぐにそれを指摘せず、十分に話を聞くことで、相手の認知症の状態を理解することもできます。

それでも、相手が常に否定的な反応をすることもありますね。

そんなときは

「こうしてみたらどうですか?」

など、代替案を一緒に考えてみるのもいいでしょう。

いつもポジティブな会話を心がけることで、相手の反応も変わってくると思いますよ。

また、できるだけ回りくどい表現はせず、簡潔な言葉で、はっきりした口調を心がけましょう。

明るい内容のシンプルなフレーズは、きっと認知症の人の心を開くのに役立つと思います。

3.ほめる

わたしが介護の仕事の中で楽しく感じることの一つは、『相手をほめる』ことです。

ただ、やみくもにほめると、

「心にもないことを言っているだけでは…」

「馬鹿にされているのでは?」

と、思われてしまうこともあります。気をつけましょう。

お世辞ではなく、心からそう思うことを、さりげなく褒めることをお勧めします。

「手伝ってもらえて、本当に助かりました」

「美容院に行かれたんですか?髪型、とてもお似合いですね」

「今日の服のセンスも素敵ですね。さすがです」

など、人と比べたりせず、その人の持ち味をうまく褒めるのがコツです。

自分の言葉選び一つで、認知症の人の表情がパッと明るくなるのを見ることは、とてもうれしい体験ですよ。

とはいうものの、認知症の人とのコミュニケーションは、一筋縄ではいかない難しいケースも少なくありません。

うまくいかないときには、少し離れて過ごしたほうがいい場合もあるでしょう。

それでも、適度な距離感を持ちながら今日お話しした、笑顔で、ポジティブな声かけをして、相手をほめることを心がけてみましょう。

超高齢化社会のいま、認知症は誰にとっても人ごとではありません。

認知症の人も、その周りの人も、笑顔で楽しいと思える毎日が過ごせることを願っています。

介護福祉士として通所介護(老人デイサービスセンター)や訪問介護(ホームヘルパー)の現場で働いてきました。研究会での発表や、学術誌へのケースレポートの投稿なども積極的に行なっています。また、子どもの頃から好きだった漫画やイラストを描くことで、認知症の知識や介護のコツをわかりやすく伝えることを心がけています。

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