台風11号~お盆休みに日本列島縦断は11年ぶり~
コースは秋台風、速度は夏台風
強い台風11号は昨日までの予想よりも東寄りの進路(予報円の東寄り)をとりながら北上を続けています。今後も勢力を維持しながら、比較的、ゆっくりとした速度で北上し、土曜日には西日本に接近し、上陸するおそれが高くなっています。
その後も北上を続ける見込みで、週明けには北日本方面へ進み、最悪の場合は、日本列島を縦断するおそれも出てきました。
このように、西日本から北日本へ進むコースは一般に秋台風の典型的なコースとも言え、お盆の頃にこのようなコースを通れば11年ぶりとなります。
一方、台風の速度は西日本に達する頃までは10キロ~15キロ程度、その後も20キロ~30キロ程度で北上する予想となっており、速度の面では、夏台風特有の動きの遅い台風ということが言えます。
つまり、今回の台風は、全国広範囲に影響を及ぼす秋台風の性質と長時間影響が長引く夏台風の性質を併せ持つ非常に危険な台風だと言うことが出来ます。
台風の直接の影響があるのは、西日本では主に土曜日~日曜日にかけて、東日本や北日本では日曜日~月曜日にかけてとなりそうですが、停滞する前線や湿った空気の影響で、台風が通り過ぎるまでは、いつどこでいわゆる“ゲリラ豪雨”が起きてもおかしくありません。
特に、現在予想されているようなコースをとると、四国の太平洋側では再び記録的な豪雨となる危険性があります。週末にかけて、最大級の警戒が必要です。
お盆休みの列島縦断は11年ぶり
例年この時期は太平洋高気圧に覆われていることが多く、台風が日本列島に近づいてきたとしても、日本付近を避けるような動きをすることが多いものです。ただし、年によっては、高気圧がやや後退している所に台風が接近し、列島を直撃することもあります。
お盆休みの期間中に列島を縦断した本格的な台風としては、2003年の台風10号があります。この台風は今回と同じように西日本から北日本へと北東進し、全国的に大きな被害をもたらしました。奇しくも、日付は今回とほぼ同じで、8月8日(金)~10日(日)の週末でした。
今回の台風11号もこの時と同じような影響、被害(類似台風)をもたらすおそれがありますので、十分な警戒が必要です。