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3歳児健診は受診しません!何の意味があるの?という質問に回答!眼の検査だけでも絶対に受けてほしい理由

もあ指導しないゆる保健師

このようなご質問をいただきました。

自治体の3歳児健診は、なんのためにやっていますか?
正直、病院で受診をすれば十分だと思います。
仕事も忙しいので、受診しないでおこうかと考えています。
どうして受診しなくてはならないのでしょうか?

ありがとうございます。(質問文一部改変しています)

この記事では、3歳児健診がなぜおこなわれているかと、どうして受けなくてはならないか、ということについて元行政保健師の目線で解説しています。

3歳児健診の受診を迷っているママ、パパはぜひ最後まで読んでみてくださいね。

3歳児健診を市町村でおこなうことは、法律で定められている

3歳児健診をはじめとした乳幼児健診は、母子保健法という法律で定められています。

なかでも、1歳6か月健診と3歳児健診は母子保健法第12条で満1歳6カ月以上満2歳未満と満3歳以上満4歳未満の幼児を対象とした健診が義務化されている定期健診です。

他の乳幼児健診は自治体によって集団でおこなうところ、病院に委託しているところさまざまですが、1歳6か月健診と3歳児健診だけは集団でおこなわれます。

3歳児健診では、発達のかたよりや将来に直結する疾患や障がいの早期発見が可能

3歳児というのは、個人差が目立ち始める時期です。

発育・発達やコミュニケーション、行動発達の問題を早期発見することで早期療育や今後起こりうる課題への対策・予防につなげることができます。

健診の会場には医師や保健師、その他専門職(自治体によって異なる)がおり、子どもに発育・発達上の課題がないかをチェックしていきます。

そこで必要に応じて病院に精密検査に行く場合もあるでしょう。

私がかかわってきた健診の現場では、以下のような例がありました。

・低身長⇒内分泌系疾患が隠れている場合がある。服薬により改善の可能性 
     また、甲状腺疾患等の場合早期の治療で通常の子とかわらない成長発達が可能な場合もある
・眼の異常⇒弱視の場合、6歳までの治療により視力を育てることが可能
・行動発達の課題⇒早期療育により二次障がい防止、行動改善の可能性あり
・言語発達の課題⇒早期療育により二次障がい防止、言語能力向上の可能性あり

こういった症状やその後の対応方法というのは、実際に健診を受けないとなかなか気づきにくいものだといえるでしょう。

行動や言語の発達について、3歳児健診の役割を解説したこちらの記事も併せてご覧ください。

【3歳児健診で指摘された】療育に通った方がいい?個性の範囲と思うんだけど…と思う親に知ってほしいこと

特に注意が必要!眼の検査は絶対に行うべき理由

実は、視力というのは発達する期間が決まっています。

生後3か月から1歳6か月ごろまでの間に最も発達し、3歳を過ぎるとその発達のスピードは少しずつ落ちていき、6歳ごろまでに大人と同じくらいの視力まで育ちます。

6歳までに眼の治療をしないと、充分な治療効果が期待できません

さらに、13歳をすぎると脳の視覚をつかさどる部位の発達が終わるため、矯正でも十分な視力を得られない恐れがあります。

矯正でも十分な視力が得られないというのはどういうことかというと、眼鏡やコンタクトをつかってもしっかり見えるようにならない、ということです。

そうなってしまうと、将来車の運転免許も取得できない可能性が高く、大きな障がいを抱える場合もあるでしょう。

そのため、3歳児健診では、必ず視力検査が行われます。

幼児の視力というのは、3歳のお子さんがいる方は想像できると思いますが、正確な値を測定するのがかなり難しいです。

子どもが視力検査をできない、わからない、というお母さんやお父さんからの悩みもよく聞いていました。

その場合は会場で再度検査をしてみるはずなので、困ったら遠慮なく相談しましょう。

また、自治体によっては、屈折検査のための機械を導入している場所もあります。

この機械の精度はかなり高いため、もしも屈折検査で異常値がでて眼科受診を進められた場合は必ず受診するようにしてください。

時々、「見え方家では気にならないので行ってないです」という親御さんと会ったりするのですが、子どもの見え方の異常に対して普段の生活で親が気づくのはかなり困難です。

弱視の子どもにとっては見えづらいことが当たり前なので、生活に支障がなければ特に訴えることもないからです。

小学校と違い、保育園や幼稚園では文字を正確に読んだり、黒板をみんなで見たりという機会もないため、保育園や幼稚園の先生方でも気づくのは難しいでしょう。

・視力検査を何度やってもできない
・時々見えづらそうに目を細めている
・右目もしくは左目を閉じてものをみることが多い
・斜視がある

こういったお子さんの行動や症状に気づいたら、必ず眼科を受診してください。

まとめ:3歳児健診はぜひ受けましょう

この記事では、3歳児健診をどうして受けないといけないのか理由を解説していきました。

お仕事ももちろん大切なことです。

私自身も仕事をしている身でもあるので気持ちは痛いほどわかります。

しかし、保健師として、自治体での3歳児健診はお子さんのためにぜひ受けていただきたい、というのは率直な意見です。

3歳児健診を受診しないリスク、その場合代替策としてどのような対応をするのか含めて考えていただく上で参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

指導しないゆる保健師

子どもの笑顔が増える楽メンタル☆.*子どもの理性を育てて、穏やかで充実した子育てライフを送ろう!脳科学×心理学、たくさんの家族と関わってきた経験をもとに子育てに役立つアレコレを発信していきます♪毎週金曜日21時30分更新(不定期更新あり)保健師&ライターとして活動中です(^-^)

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