現在発生している3つの熱帯擾乱の動向
3つの熱帯擾乱(ねったいじょうらん)の動向
タイトル画像にある通り、現在2つの熱帯低気圧と低圧部が発生しています。
このうち、関東の南東海上にある熱帯低気圧は先日、日本の南から伊豆諸島付近を南下していった台風14号から変わった熱帯低気圧で、小笠原の東海上で動きが遅くなっていましたが、すでに活発な背の高い積乱雲はほとんどなく、下層循環が主体となっているため、タイトル画像ではほとんど確認が出来ないような状態となっています。
予想天気図にある通り、この熱帯低気圧は今後、前線を伴った低気圧(温帯低気圧)に変わり、あす16日(金)からあさって17日(土)にかけて、ようやく日本の東海上に離れていく見込みです。
また南シナ海に発生している熱帯低気圧は、今のところ、台風へ発達することなく西進し、ベトナム方面へ進む予想で、この熱帯低気圧も日本へ影響を及ぼすことはない見込みです。
一方、日本のはるか南、赤道のすぐ北には低圧部が発生しています。低圧部とは周辺よりは気圧が低く、循環は認められるものの、その中心がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、この中心がハッキリすれば熱帯低気圧に変わります。
気象庁が発表した予想天気図によると、今後、西から北西方向へ移動し、あさって17日(土)午前9時にはフィリピンの東へ進んできますが、この時点でもまだ低圧部のままの予想となっています。
ただこのあと、注目すべき存在となるかもしれません。
週明けの低圧部と太平洋高気圧の予想
週末にかけて、フィリピンの東に進んでくる低圧部のその後の動向は、沖縄付近で勢力を強めている太平洋高気圧の勢力次第と言えるかもしれません。
今の予想のように沖縄付近で勢力が弱まらなければ、そのままフィリピン付近を西進し、南シナ海へ抜ける可能性が高く、仮に熱帯低気圧や台風の勢力に変わったとしても、沖縄付近には北上してこない可能性が高いと思われます。
種々の計算をみると、今のところ、発達傾向を示している計算ではフィリピン付近から南シナ海へ抜けるコースが優勢となっていますが、なかには太平洋高気圧の勢力が弱まるスキをついて、沖縄付近へ北上してくるような計算も散見されます。
まだこの低圧部が発達するかどうかを含めても不確実性が非常に大きいのですが、今後、週末から来週にかけて、注目すべき存在となるかもしれません。