【富田林市】用水路が国道309号線をまたぐ!近鉄川西駅近くにある国道またぎの用水路とは
いつも思いますが、何気ない道や陸橋などを改めて調べると意外な事実が見えてくることがあります。今回、近鉄川西駅の南側、国道309号線をまたぐ陸橋に意外な事実を発見しました。それは用水路もいっしょに国道をまたいでいるというのです。
水路が高いところで低い場所をまたぐのは、水路橋(すいろきょう)の例があり、石川にも画像の様な水路橋があります。また用水路の水路橋のことを懸樋(かけひ)というそうで、谷や川を越えるときに架けるそうです。
ということで、さっそく現場に行ってみました。ここは川西駅の南側にある旧国道と呼ばれているところですが、この先に309号線との交差点があり、そこから外環状線方向に歩くと見つかります。
国道309号線沿いに入り、近鉄線の高架を越えると、このような場所が見えます。一見みたところ、ただ陸橋が国道の上をまたいでいるようにしか見えません。しかし陸橋の下に水路があり、国道をまたいでいるというのです。
近づいてみましたが、よくわかりません。ただ言われてみればですが、歩道の下の部分が、通常の陸橋よりも幅が広いように見えます。
本当にこのコンクリートの中に水があって、国道をまたいでいるのでしょうか?
陸橋の上にきましたが、見たところどこにでもある歩道にしか見えません。
歩いていくと橋が架けられた年月が書いてあります。1984(昭和59)年です。もしこの橋の下に水路があれば、国道が作られる前は、これだけの高さがあって、少し左に行けば崖になっていたと想像できます。また用水路は古くから存在する井路と呼ばれるものです。
国道を作ることになり、車が走りやすい傾斜を作る際に、この辺りは削り取られてしまったのでしょう。その代わり水が通れるように橋を架けたと考えられます。ちなみに陸橋ができる2年前の1982(昭和57)年に近鉄川西駅が高架になったとのこと。
橋の真ん中でマンホールを発見しました。
一般的な道路ならともかく、陸橋の上にマンホールは普通ありませんので、やはりこの下には水が流れていると考えられます。
反対側に向かってみると、水門のようなものが見えてきました。
水門のところを見ると水が流れています。水門の右側に水が流れているようです。
でも普通に水路がカーブをして流れるだけなら水門は必要ありません。なぜ水門があるのでしょうか?
水門があるのは、水の流れが2方向に分かれているからです。少しわかりにくいのですが。画像下に水門があり、水が流れますが、もし水門が閉じていれば、左側に水が流れています。その水の先には今渡ってきた陸橋があり、水路は暗渠になっています。
つまり、今流れている水は上方向に流れており、この先に渡った陸橋があります。これで陸橋の下に水が流れている、国道を用水路がまたいでいるという証拠を見つけました。
橋の名前を見つけました。甲田のあとが九のように見えますが、どうやら崩し字のようです。この形をした崩し字を調べてみると「水」というのを見つけました。つまりこの橋の名前は甲田水路橋のようです。名前からして、あくまで水が優先で歩道はおまけのようですね。
ここで橋を折り返してみました。用水が橋の下に流れている様子は見えましたが、では反対側ではどうなっているのでしょう。
ところが、ずっと道が続いているだけで水がどこで分かれているかも見えません。しかし、ひとつだけ証拠となる物を見つけました。画像の下にある金網です。
金網の下を覗いてみると水が流れています。
水路の流れも先ほどの水路と同じ方向で、橋の下を流れ、国道をまたいだ後、北方向に流れていることがこれでわかりました。
では、この水路の先はどこに行っているのか、地図で予想してみました。地図を見ると住宅の間が他のところよりも広がっているところがあったのでその下に水路の暗渠があるように見えます。そしてその先には水路が見えます。あくまで推測ですが画像のように流れを予想しました。
地図で水路が見えるあたりに来ました。水が流れていて方向も甲田水路橋でみたのと同じでした。
甲田水路橋
住所:大阪府富田林市甲田4丁目
アクセス:近鉄川西駅から徒歩6分
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