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50歳のサイ・ヤング賞投手が正式に引退へ。通算247勝。42歳の時に最初で最後のホームランを打つ

宇根夏樹ベースボール・ライター
バートロ・コローン Aug 13, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 バートロ・コローンは、選手としてのキャリアに正式なピリオドを打つらしい。Z101デジタルのヘクター・ゴメスによると、ニューヨーク・メッツは、8月26日にロサンゼルス・エンジェルスと試合を行う前に、コローンの引退セレモニーを催すという。

 コローンは、先月下旬に50歳となった。メジャーリーグで投げたのは、2018年が最後だ(その後、2021年にメキシカン・リーグで先発11登板)。1997~2009年と2011~18年の計21シーズンに、565登板で247勝188敗、防御率4.12を記録している。通算白星は、ドミニカンのなかで最も多い。

 2004~07年はアナハイム・エンジェルス/ロサンゼルス・エンジェルスで投げ、2005年はリーグ8位の防御率3.48と6位のFIP3.75ながら、最多の21勝を挙げ、サイ・ヤング賞に選ばれた。その後、サイ・ヤング賞を受賞したエンジェルスの投手はいない。その前も、1964年のディーン・チャンスだけだ。

 メッツでは、41~43歳の3シーズン(2014~16年)を過ごし、いずれも190イニング以上&防御率4.20未満(オークランド・アスレティックスで投げた2013年から数えて、4シーズン連続)。「ビッグ・セクシー」のニックネームで親しまれた。2016年には、最初で最後となるホームランを打ち、初本塁打の最高齢記録を塗り替えた(「ミラクル! 42歳の投手がメジャーリーグ初本塁打を放ち、ビッグ・ユニットの記録を塗り替える」)。

 なお、先月7日、メッツとコロラド・ロッキーズが行った試合の前に、コローンは始球式に登場している。引退セレモニーと始球式の順序が逆だと思うかもしれないが、5月7日は、7年前にコローンがホームランを打った日だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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