「石を彫る くにたちの彫刻家 關敏の仕事」11/13まで くにたち郷土文化館にて開催(国立市)
1930年に国立に生まれ、数多くの石の彫刻作品を手がけた關敏氏の企画展「石を彫る くにたちの彫刻家 關敏の仕事」が、くにたち郷土文化館にて11月13日(水)まで開催しています。国立市に暮らしたり、通勤、通学で来ている人は、きっと關敏作品を日常的に目にしていることが多いと思うのですが、“關敏作品”とは知らないままに見ている人も多いのではないかと思います。
例えば、谷保天満宮の「座牛」(1973年)。初詣やお祭りなどで見慣れている方も多いと思いますが、市内にある代表的な關敏作品です。この作品を制作した経緯などを、ご本人がお話している貴重な映像も今回の企画展では上映されています。
谷保天満宮梅園にある「山口瞳先生文学碑」(1997年)。本小松石の印象的な質感とともに、「小さな仕掛け」がされていて遊び心も感じられる作品です。この“仕掛け”をみなさんは気がつきますか?ちょっとした謎解き気分でじっくり鑑賞してください。
くにたち芸術小ホール前にある「襞」黒御影石(1973年)。旅先で出会った砂漠の砂紋などに影響を受けつつ、ビーナス像も連想させる作品です。芸小ホールに訪れる人を見守っているイメージですね。まさに国立のアートの女神かもしれません。
同じく、くにたち芸術小ホール前にある「虚空」大理石(1977年)。ボートではありませんよ。お釈迦様の足元を飾る蓮の花びらです。
そして、国立駅南口ロータリーの円形公園内にある時計台の台座。ポルトガル花崗石で制作された作品です。ただ、時計の部分は花の形をイメージした球体のはずが、市の予算の関係で四角になってしまったため、これはまだ完成していないので「私の作品ではない」と話していたというエピソードもあります。いつか丸い形の時計になって完成する日が来るのでしょうか。密かに期待しています。
「石を彫る くにたちの彫刻家 關敏の仕事」では、石の彫刻以外にもその足跡を感じる作品が多く展示されています。
小学3年生の時に描かれたというスケッチブックの作品から驚きです。旅先でのスケッチや、デッサンなど、その非凡な才能を感じることができる展示内容です。また、貴重な關家の家族写真も展示されています。
アトリエの机も再現されています。鉛筆削りが懐かしいですね。若き日の制作風景も貴重です。
貴重ですばらしい作品は、ぜひ郷土文化館でご覧いただくとして、身近なところでは谷保天満宮の盆踊りの浴衣をデザインされていたとのことです。他にも雑誌の挿絵や絵画作品なども。記念碑やパブリックアートから身近なデザインまで、これからも地元のあちらこちらで、關敏作品と出会えそうですね。
展示されている「関敏作品くにたちマップ(PDF)」。
詳しくは、10月20日(日)開催の「アート散策 關敏さんの石彫作品を巡る」にご参加ください。旧国立駅舎をスタートし、作品を見ながら谷保天満宮へ向かいます。
詳細・お申し込み:アート散策 關敏さんの石彫作品を巡る
秋季企画展「石を彫る くにたちの彫刻家 關敏の仕事」
同時開催 コーナー展示「わたしたちのたからもの」
日程:2024年10月4日(金)~11月13日(水)
休館日:10月10日(木)・24日(木)
時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
会場:くにたち郷土文化館 特別展示室
住所:国立市谷保6231(アクセス)
観覧料:無料
詳細:くにたち郷土文化館公式HP
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