NY金27日:米指標悪化で急反発、テクニカル要因の影響も
COMEX金6月限 前日比比28.20ドル高
始値 1,179.30ドル
高値 1,206.70ドル
安値 1,177.60ドル
終値 1,203.20ドル
米早期利上げ観測の後退を受けて、急反発した。
ギリシャ債務問題に対する警戒感が後退する中、アジア・欧州タイムは1,180ドル台前半を中心に方向性を欠く展開になった。ニューヨークタイム入り後も若干値位置を切り上げたものの、序盤は特に目立った動きは見られなかった。しかし、4月のコンポジットPMIが前月の59.2から57.4、サービス業PMIが59.2から57.8までそれぞれ低下したと発表されると、米早期利上げ観測の後退がショートカバー(買い戻し)を促し、一気に上昇地合に転じている。テクニカル主導の買いも巻き込む形で上げ幅を拡大し、1,200ドルの節目もブレイクしている。28~29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控えているが、新規手掛かり難から各種経済指標に大きく反応する傾向が見受けられる。
今週は29日に1~3月期の国内総生産(GDP)発表も控えているが、全体として米経済の減速を示す指標発表が続く見通し。FOMC声明に関しては、緩やかな景気回復とインフレ上昇が報告される見通しだが、仮に景気動向についてネガティブな文言が含まれると、早期利上げ観測の後退が改めて金相場をサポートする可能性も浮上する。為替相場でドルインデックスが4月6日以来の安値を更新していることも、金相場の下値不安を後退させている。
米金融政策の正常化プロセスに変化がない以上、改めて金相場が大きく買い進まれるような地合にはない。ただ、再び売り込んでいくには経済指標や要人発言から、早期利上げ観測を盛り上げていくことが必要不可欠な相場である。基調は下向きと判断しているが、米利上げ時期の特定が進まない以上、各種イベントに一喜一憂する不安定な地合が続かざるを得ない。