PGAツアーの長年の大会「ホンダ・クラシック」から日本の「ホンダ」の名が消える!
PGAツアーの春を彩るフロリダ・シリーズの1つとして長年、愛されてきたホンダ・クラシックは、その名の通り、日本のホンダがタイトル・スポンサーを務める大会である。ホンダはPGAツアーの大会を最も長期にわたって支えているタイトル・スポンサーの1つだが、2023年2月の開催を最後に、スポンサーから降りることが発表され、選手や関係者からは驚きの声が上がっている。
ホンダが1972年に創設されたグレソンズ・インベラリー・クラシックという大会のタイトル・スポンサーになったのは1982年のこと。
「帝王」ジャック・ニクラスの愛妻、バーバラ夫人が大会ホストを務め、ニクラス小児病院への寄付を募るチャリティ活動も行われ、これまで5000万ドル超が同病院や地元コミュニティへ寄付されるなど社会貢献度の高い大会として愛されてきた。
フロリダ州パームビーチのPGAナショナルが大会の舞台になった2007年からは、超難関コースへの挑戦意欲を搔き立てられ、トッププレーヤーたちが競って出場し、ハイレベルな戦いが繰り広げられてきた。
しかし、同大会に先立ち、2月にカリフォルニア州ロサンゼルスのリビエラCCで開催されるジェネシス招待の大会ホストにタイガー・ウッズが就任してからは、ホンダ・クラシックは「タイガーの大会」と「第5のメジャー」プレーヤーズ選手権との間に挟まれ、出場選手の顔ぶれが淋しくなっていった。
さらには、PGAツアーが今年8月に発表した2023年からの大改革によってトッププレーヤーの出場が義務づけられる賞金総額2000万ドル級の「格上げ大会」全20試合の中にホンダ・クラシックは含まれなかったことから、今後の出場選手の顔ぶれは、さらに淋しくなるのではないかと予想されていた。
ジェネシス招待とプレーヤーズ選手権に挟まれているのみならず、ジェネシス招待の前に開催されるフェニックス・オープンも「格上げ」され、マスターズの翌週開催でこれまではトッププレーヤーたちがみな休んでいたRBCヘリテージが逆に「格上げ」されたにもかかわらず、ホンダ・クラシックは格上げされず、それが「ホンダの怒りを買ったのではないか」という声がツアー関係者の間から上がっている。
PGAツアーの大改革は、リブゴルフへの「対抗策」として考案され、今季から実施されているが、ホンダのスポンサー降板は、せっかくの大改革が裏目に出たと見るべきだろう。
PGAツアーは同大会の次なるタイトル・スポンサーを探しているとのことで、大会が消滅することはないと見られているが、日本企業の名を冠した大会が消えることは、とても残念である。