大人と子どもの健康的なお弁当づくりのコツとは?
新年度になり、お弁当をつくるようになった人もいらっしゃるのではないでしょうか。
お弁当づくりがはじめての人は、使うお弁当箱のちょうどよい大きさがわからない、ごはんとおかずの割合のおすすめは?など疑問や迷うことも多いかもしれません。
そこで、大人用、子ども用、どちらにも応用できる健康的なお弁当づくりのコツについて解説してみたいと思います。
■お弁当箱の大きさの決め方
お弁当箱には〇〇mlという容量が記載されています。仮に500mlの大きさのお弁当箱であれば、概ね500kcal程度のお弁当になります。ただし、ぎゅうぎゅうに詰めるのではなく、すき間がないようにしっかり詰めつつ、蓋をしめた時に料理がつぶれないくらいの高さにする必要があります。これは、だいたいお弁当箱の容量の7割程度にあたります。(※)
では、お弁当箱の大きさを決めるために、お弁当で食べるカロリーはどれくらいを目安にしたらよいでしょうか。
基本的な考え方は1日に摂取するカロリーの3分の1を摂る、と考えます。
つまり、1日に摂取するカロリーが1800kcalだった場合、その3分の1は600kcalになりますので、600mlの容量のお弁当箱を用意するとよいことになります。
では、1日に何キロカロリーほどを摂取すればよいのでしょうか。
日頃、どれくらいからだを動かす生活をしているのかや、その人の体格にもよりますが、1日にとるカロリーの目安を日本人の食事摂取基準2020の推定エネルギー必要量を使って考えてみたいと思います。
3~5歳の場合、男子は1300kcalなので、その3分の1の430kcalほど、女子は1250kcalの3分の1で420kcalほどなので、400ml程度のお弁当箱を目安にするとよいでしょう。
大人の場合は、30~49歳で座っていることが多い人の場合、男性2300kcalなので、3分の1は750kcalほど、女性2000kcalなので3分の1は、650kcalほどになります。
1食で食べるカロリーを確認したら、その数値と同じ程度の容量のお弁当箱を使いましょう。
■ごはんとおかずのおすすめの割合は?
ごはんとおかずの割合は、どれくらいにしたらよいでしょうか。
基本の割合は、ごはん・主菜・副菜が、3・1・2(※)です。この割合は、お弁当を上から見た時の表面積の割合をさします。なお、主菜は、肉や魚、大豆、卵などを使った料理、副菜は、野菜やきのこ、乾物、海藻などを使った料理のことです。
最近は低糖質を意識してごはんを少なめにされる方もいらっしゃると思います。大人の場合は、体重や体質によってごはん少なめでもよい場合がありますが、お子様向けのお弁当は、食べたものの消化のしやすさなどを考えて、ごはんを全体の表面積の半分ほどで作っていただくことがおすすめです。
なお、主菜と副菜の1・2の割合は、朝食や夕食の内容にもよりますので、半々ほどを目安に考えるとよいでしょう。
■バランスのよいお弁当の整え方
朝の忙しい時にバランスを考える余裕なんてない!
そんな方も多いのではないでしょうか。そんな時は、黄、赤、緑といった色を意識するとバランスが整いやすくなります。
ごはんと主菜となるおかずだけではなく、彩りとして黄、赤、緑の食材を加えることで見た目も美味しそうになり、ビタミン豊富な副菜を追加することができます。
最も簡単な方法はプチトマトをすき間に入れること。トマトが苦手な人は、パプリカやブロッコリー、ズッキーニ、ピーマン、人参などを使いましょう。パプリカは生でも大丈夫ですが、それ以外の食品はレンジで加熱したり、煮物やマリネなどの常備菜を作っておいて詰めるのもおすすめです。
また、油を使った料理の数はできるだけ1種類にしましょう。
揚げ物は汁が出ないので、お弁当に入れやすくついつい多くなってしまいがちです。けれども油を使った料理ばかりだと、似た味のものが多くなってしまう上に脂質の摂りすぎにもつながります。できるだけ汁をしっかり煮含めた煮物や電子レンジで加熱して汁気を切って味付けしたものを活用するほか、炒め物に使う油を少量にするなどの工夫をするのがおすすめです。
■お弁当に入れたい簡単メニュー
最後にお弁当に入れやすい簡単副菜メニューをご紹介します。
●レンジでピーマンのじゃこ和え
ピーマンは種をとって細切りにし、電子レンジで加熱し、じゃこ、鰹節で和える。かつおなどのふりかけで混ぜても。
●レンジでにんじんごま和え
にんじんは千切り(千切りが面倒な場合は、細切りやピーラーでも)にし、電子レンジにかけ、ごま適量、砂糖、塩、ごま油各少々を混ぜる。
●お浸しの海苔あえ
青菜に出汁醤油少々とちぎった海苔で混ぜる。海苔が水分を吸ってくれます。
簡単、手軽にできる副菜を活用して、健康的なお弁当作りを楽しめるといいですね。