「スマホ、5分以内通話で1,000円安い」に騙されてはいけない。最低月額、au以外は高くなる
先月、auが「月額料金が1,000円安くなる」として1回5分以内の通話が24時間無料の新基本料金プラン『スーパーカケホ(電話カケ放題プランS)』を発表し、ソフトバンクとドコモもそれに追随するプランを発表しました。
いずれのキャリアも「(従来の通話し放題プランよりも)月額で1,000円安い」ことをうたっていますが、じつはこの新基本料金プラン、au以外は従来よりも最低月額が高くなるので注意が必要です。
旧プラン、通話し放題プランはいくら?
まずは、au、ソフトバンクユーザーに多い「旧プラン(データ通信量制限が7GBのもの)」と、これまで新プランと呼ばれてきたいわゆる「通話し放題プラン」の最低月額料金を見てみましょう。
旧プランは6,743円~6,934円、新プランはどのキャリアも6,500円で統一されています。では、ここから新基本料金プランに切り替えると月額はいくらになるのでしょうか?
それを表したものが以下です。
auは旧プランであれば834円、新プランからの切り替えであれば300円安くなりますが、ドコモとソフトバンクは(データの通信量制限が上がる代わりに)どちらも値上げとなってしまいます。
「月額料金が1,000円安い」はずなのに、なぜこのようなことが起きてしまうのか? その答えは契約可能プランの制限にあります。
5分以内通話無料プランは契約可能プランに制限
じつはこの5分以内通話無料プラン、ドコモとソフトバンクでは5GB以上のデータプラン、auでは3GB以上のデータプランにしないと契約できないのです。
このため、「あまり通信をせず通話しかしない」ユーザーが契約してきた2GBのデータプランと組み合わせることができません。
また、旧プランユーザーからすると通話し放題とはいえ基本料の値上げであり、さらにデータ通信量制限の上限がドコモ、ソフトバンクでは2GB減、auでは4GB減と、たかだが数百円安くなるにしてはサービスが大きく低下していると言えます。
通話しないユーザー向けのプランはまだ?
各キャリアともに分かっていて採用しないのでしょうが、スマホを多く使うユーザーにとって必要なものは安い基本使用料+データプランです。
とくに若者にとっては「通話=LINEでの無料通話」であり、「通話=電話」ではありません。実際、10代ではLINEの利用率は77.9%、20代にいたっては90.5%と非常に高く、電話はほとんど必要とされていません。
先月29日、高市総務大臣が記者会見にてスマホや携帯電話料金の引き下げへの私見として「データ通信のライトユーザーや通話の「かけ放題」が不要な方々のニーズに対応した料金プランの多様化ができないか」と述べていましたが、現在求められているのはまさにこのようなプランであると考えます。
各キャリアには、「自由な競争」のもとプランの多様化に励んで頂きたいところです。