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【都城市】地元織物作家の趣味が本格的すぎた!プライベートな未公開作品多数。没後15年記念永江明夫展

ベーグル犬885地域情報発信ライター(都城市・三股町)

こんにちは、ベーグル犬885です。

鷹尾町にあるNAギャラリーへ個展を見に行ってきました。

東郷織物のショップとギャラリーがあるNAギャラリーは前社長の永江明夫氏のイニシャルのついたギャラリーです。

前社長だった永江明夫氏の没後15年を記念して、着物・図案・油絵・デッサ ン画等を含め未公開品を多数展示されています。

独特の色彩感覚と感性を持ち、建築の知識を礎にユニークな発想で伝統的な着物業界で活躍されていた天才の頭の中を垣間見ることができたような気がします。

【イベント概要】
没後15年記念永江明夫展
開催場所:NAギャラリー
住  所:〒885-0081 宮崎県都城市鷹尾4丁目15−4(MAP
日  時:2024年6月20日〜6月30日  11:00~17:00
主  催:(株)東郷織物ショップNAギャラリー
電  話:0986-21-3153

永江明夫氏

奄美大島出身の永江明夫氏は学生時代は建築を学び、戦後捕虜としてシベリアに抑留されたのち復員し、妻の実家である都城の東郷織物で働き始めました。

義父 東郷治秋氏 と共に東郷織物工場を運営し、次々と新しい仕事に挑戦し、今の東郷織物の特徴である、色大島(大島紬)や薩摩絣(大島紬の技法を使って織る綿織物)を開発しました。

久しぶりにNAギャラリーを訪問。

時々ショップには買い物に伺うのですが、ギャラリーの方に入るのは久しぶりでした。展示会などで利用されているスペースに、今回は永江氏の織物以外の作品が並べられていたのは新鮮でした。

絵画

一見ピカソの作品?と思ってしまうくらい、本格的な油絵が多くありました。永江氏の娘さんの谷口啓子さんが紹介してくださいましたが、

お父様は60歳ぐらいから、趣味でいろんな作品(絵画や書、陶芸)を作っていたそうです。そして都城城美会(素人の絵同好会)会長もしておられたそうです。

油絵の元となったと思われるサックスを引いているピエロのデッサンが多数残っていました。

デッサン
デッサン

日の丸なのか、夕日なのか…?
日の丸なのか、夕日なのか…?

ギャラリーの奥のセンターにある絵です。

タイトルはなかったのですが、不思議な絵でした。

永江氏が経験した戦争なのか、桜島の噴火なのか、夕日なのか…想像力を掻き立てる素敵な絵でした。

皆さんはこの絵についてどう感じますか?

着物の図案

着物をよく見ると幾何学模様で独特の世界観がある模様です。模様は染めではなく織物なので、どのように織っているのかのか不思議になります。

その隣にグラフィックデザインのようなドットで描かれた着物の図案がありました。

図案
図案

設計図に合わせて、縦糸と横糸の組み合わせて手織りしていく工程を想像すると、軽くめまいがしてきました。とても気が遠くなるような仕事です。

綿や絹糸も展示されていますが、縞々に染められている糸があり、縞の位置を合わせることにより、水玉模様になるそうです。ずれないように織るには技術が入り、とても手間がかかる仕事であることがわかりました。

書も数多く展示されていました。

『書』とはアートなんだと思わせる作品がたくさんありました。文字に吸い込まれていくような不思議な感覚になりました。

和紙のスケッチブック

谷口さんによると『父の落書き帳みたいなもの』とのことですが、1枚1枚が素晴らしいアート作品で、好きな俳句や漢詩に絵を添えたものなど、個性的な文字そのものもアートでとても魅力的でした。貴重なものを拝見させていただけました。

着物のことはよくわからない筆者ですが、東郷織物の明るい色の大島紬や木綿なのにサラサラしている薩摩絣の布地は他ではあまり出会ったことがなく、素敵な物に出会った時のときめきを感じてしまいます。

今の東郷織物の魅力的な布地を生み出した巨匠の頭の中を見る経験ができた貴重な機会でした。。

個展を見た後、ショップで改て東郷織物の商品を見ると…。

ショップには東郷織物の布を使った洋服も売っています。大島紬とは思えないほど、華やかなパステルカラーの布を使った作品が並んでいます。

小物やアクセサリーやご朱印帳など…。クマのぬいぐるみも東郷織物の布地でできています。

制作途中に出るバイアステープを再利用して作ったTシャツは捨てられていたハギレがアートとして蘇った筆者のお気に入り作品。

以前試作品の時に購入したのですが、とても素敵になっています。

3300円
3300円

今回永江氏が着物だけでない、芸術家としての面を知ることができました。

そして個展を見て、布地は工芸品であり、芸術品なんだと実感しました。

地元の名工のプライベートな一面を見ることができる「没後15年記念永江明夫展」に皆さんもぜひ足を運んでみませんか?

【店舗概要】
N.A.ギャラリー(Nagae Akio Gallery) (代表者谷口 邦彦)
【住所】  〒885-0081 宮崎県都城市鷹尾4-15-4(MAP
【TEL】    0986-21-3153
【FAX】    0986-26-6146
【Webサイト】   https://www.na-kiraku.com/
【公式Facebook】→こちら
【公式Instagram】→こちら
【駐車場】 あり

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地域情報発信ライター(都城市・三股町)

都城在住。都城盆地で生活している中で出会った人・もの・出来事や美味しい食べ物について主婦目線で発信しています。趣味:料理・地形図鑑賞(今昔比較)・散歩。

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