ロシア軍がイラン製軍事ドローンで夜に奇襲、ウクライナ軍が28機のうち22機撃破
2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生用ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。
2022年10月からロシア軍はミサイルとイラン政府が提供した標的に向かって突っ込んで行き爆発する、いわゆる神風ドローンの「シャハド136(Shahed136)」、「シャハド131(Shahed131)」で首都キーウを攻撃して、国際人道法(武力紛争法)の軍事目標主義を無視して軍事施設ではない民間の建物に攻撃を行っている。11月に入ってからはイラン製軍事ドローンでの攻撃が激減したことから、英国国防省はイラン製軍事ドローンの在庫が枯渇したのではないかとの見解を示していた。12月に入ってからはロシア軍はイラン製軍事ドローンで電力施設にも攻撃を行いオデーサ近郊の150万人以上の市民生活に打撃を与えていた。年末年始にもロシア軍によるイラン製軍事ドローンでの奇襲は続いていた。1月、2月になってからもロシア軍によるイラン製軍事ドローンでの攻撃は全く終わっていない。
そしてゼレンスキ―大統領がイギリス、ベルギーなど欧州を訪問している2023年2月9日夜にもロシア軍はハルキウ、ザポリージャでミサイル71機とイラン製軍事ドローン「シャハド136」7機で攻撃を仕掛けてきた。そのうちウクライナ軍、ウクライナ空軍はミサイル61機、イラン製軍事ドローン「シャハド136」5機を破壊したと報告していた。その後、ウクライナのメディアによると「シャハド136」28機のうち22機を破壊した。
ウクライナ空軍やウクライナ軍の兵士らがイラン製軍事ドローン「シャハド136」を迎撃して破壊する動画も公開していた。ウクライナ軍は公式SNSで「シャハドが迎撃されて落下している間にお祈りしてください!」と投稿していた。
このような上空からの奇襲は夜に多くしかけてくる。夜は防衛する地上の兵士らの視界が不良になることと、人間は昼間に寝ていても夜は脳が働きにくい。さらに2月のウクライナは極寒である。そのため夜のミサイルや軍事ドローンでの奇襲は攻撃側が優位である。
2023年1月にはウクライナ軍情報部が、ロシア軍は1750機のイラン製軍事ドローンを調達しており、そのうち約660機を既に使用しているとの見解を発表していた。また米国メディアによるとロシア政府はイランで開発されていた軍事ドローンをロシアに工場を設立してロシアで6000機を開発、生産していく予定と報じていた。2023年2月9日夜の奇襲はミサイルの方が軍事ドローンより発射数が多かった。だがロシア軍では大量の軍事ドローンでウクライナ軍に攻撃を仕掛けてくることも多い。
▼ウクライナ空軍が「シャハド136」を迎撃して破壊するシーン
▼ミサイルとイラン製軍事ドローンを迎撃して破壊したことを報告するウクライナ軍の公式SNS
▼ハルキウで夜にイラン製軍事ドローンを迎撃しているウクライナ軍