Yahoo!ニュース

【笠岡市】決戦は6月9日(日)!伝統行事「おしぐらんご」の見どころを解説。源平どっちを応援する?

いかごはんWebライター(井笠地区/笠岡市・里庄町・井原市・浅口市)

笠岡の夏の風物詩「おしぐらんご」

名前は耳にするものの、どういった行事なのかイメージできない市民も多いのではないでしょうか? かくいう私もその一人。

「おしぐらんご」とは何ぞや?

週末に集まって練習しているというので、事前調査に行ってまいりました!

恥ずかしながら、私の前知識といえばこの看板くらい。金浦地区への入り口にドーンと立っているので、ほぼ毎日目にしています。

ここは金浦
笠岡市金浦地区に伝わる「源平合戦」
平家と源氏の壮大な時代絵巻
おしぐらんごの里
笠岡市指定 重要無形民俗文化財
6月9日開催

よーく見ると文字がたくさん書いてありますが、運転しながらはさすがに読めませんね。

なんだか歴史がありそうな雰囲気です。

さっそく行ってみましょう。

すでにたくさんの人が集まっていました
すでにたくさんの人が集まっていました

「おしぐらんご」の語源は「押し比べ」が訛ったもの。

「押し」=「船を漕ぐ」

「比べる」=「競争」

どうやら皆で船を漕いで、競争をするようです。

保存会の方に見せていただいた昔の写真
保存会の方に見せていただいた昔の写真

源平合戦に由来する行事で、源氏方(白)と平家方(赤)の2隻が相手を攻撃しながら船を漕ぎ進めます。単なるスピード勝負ではないところも見どころのひとつ。

かつては占いの意識も強く「勝てば大漁」と、漁師が激しく競い合っていたので、通称「喧嘩ぐらんご」とも呼ばれていたそうですよ。(今は当たり前ですが、殴り合い禁止)

現在の金浦湾からは想像もつきませんが、平安時代はもっとも〜っと湾も広くて、四国から源氏方が20余の軍船と2千もの大軍で攻め立ててきたと伝えられています。

当時の情景を再現するかのように、おしぐらんごで使用する船は、釘などの金属を使用していない木製の和船です。

▼おしぐらんごの練習スタート

浮き輪にも船の名前が
浮き輪にも船の名前が

指導役の方が乗船メンバーを招集していきます。チーム名のような名前を言っているので何だろう?と思って訊ねると、船ごとに名前がついているそうで、誰がどの船に乗るのかを指示していたのでした。

船は全部で6隻。

源氏方(白)に

「五月丸」「行者丸」「竜宮丸」

平家方(赤)に

「妙見丸」「乙女丸」「兜丸」

乙女丸には女の子が乗るのかな?と思ったらそうでもないみたい。

船には6名のメンバーが乗ります。(小学生など不慣れなチームにはプラス指導者が1名乗船)
船には6名のメンバーが乗ります。(小学生など不慣れなチームにはプラス指導者が1名乗船)

一番重要で難しいのは、船の最後尾

「とも櫓(ろ)」

練習していた大学生が「船のエンジンみたいなもの」と教えてくれました。船を前に進める動力はほぼ、このポジションの人が担っているのだとか。わかりやすい。

中盤で左右に別れて漕いでいるのが

「後前櫓(うしろまえき)」と

「前櫓(まえき)」

互いの背中がぶつからないように息を合わせることが操縦のコツ。

一番前で櫓を漕ぐのは

「どう櫓(ろ)」

見た目はリーダーのように目立つけれど、漕ぎの初心者はここから始めているっぽかった。

一方、先頭に座っているのは

「みざお」

互いの船に渡した竿を持つ係です。

超初心者向けかな。

ある程度の所までは、互いの船の距離を保ちつつ漕ぎ進めるらしい。簡単そうにみえますが、これも大事な役割で、相手の船をけん制する役を担います。

一番おもしろいと思ったのは、

旗振り役の「はねこ」

旗を振って自軍を応援する係ではありませんよ。これで、相手方の邪魔をするのです。武士役といったところかな。

旗の先に海水を付けて相手方にペチャッ!と飛沫をとばす。手元や足元を狙って滑るように仕向けたり、気を散らせる。

どんな技が飛び出すのか、見逃せない楽しみのひとつです。

スタート地点は、2号線の橋のふもと。

ここから大会本部のある竜宮荘方面に向かって約500メートルもの距離を進みます。

結構な距離を進みますよ。ゴールは右手奥の方。
結構な距離を進みますよ。ゴールは右手奥の方。

ゴールが近づいてきてから、一気にスパートをかけるようです。

竜宮荘
竜宮荘

当日はこの竜宮荘が、大会本部になります。

この付近で場所取りをすれば、ゴールの様子が間近で観られると思いますよ。

昨年開会式の様子(金浦ひったか・おしぐらんご保存会提供)
昨年開会式の様子(金浦ひったか・おしぐらんご保存会提供)

よそ者が見物に行くのは気が引けるなと感じて、これまで参加したことはなかったけれど、由緒やルールがわかってくると「本番のレースを観てみたい」という気持ちになってきました。

当日は、源氏(白)か平家(赤)のどちらかに推しチームを決めて、ガッツリ応援して楽しみたいと思います。

<令和6年 おしぐらんご詳細 >
開催日:2024年6月9日(日)
開会式:午前10時30分から(住吉大社・竜宮荘前)
競技:午前11時10分開始予定
大判振る舞い(お菓子投げ):午後13時頃からの予定
---------------------
場所:笠岡市金浦湾
臨時駐車場:旧職業訓練所(100台程度駐車可)
ひったか・おしぐらんご紹介(笠岡市HP)

大会パンフレット抜粋
大会パンフレット抜粋

Webライター(井笠地区/笠岡市・里庄町・井原市・浅口市)

大阪から笠岡市に移り住んで20年超。これまで職場との往復、家でゴロゴロしてるだけで気づけなかった笠岡市・里庄町の魅力を見つける旅に出ます。一緒にもっと笠岡市をはじめ、井笠エリアを好きになりましょう!高梁川流域ライター塾2023年度修了生。

いかごはんの最近の記事