【里庄町】「手打ち」じゃなくて「手延べ」だよ。岡山が誇る「手延べうどん」の直売所が楽しすぎた
みなさん、うどんは好きですか?
私は好きです。
でも、知りませんでした。
岡山県は手延べうどん生産量全国1位だってこと。
ん?手延べ?
そう。“手打ち”ではなく、“手延べ”うどん。
讃岐うどんで有名な手打ち麺は「切麺方式」といって、小麦粉を練って薄くのばして切って作ります。一方、手延べ麺は「拉麺方式」といって、小麦粉を練って熟成と延ばしを繰り返し、細く細く延ばしながら麺の形に仕上げていきます。とても手間がかかるので、素麺でも高級なものは「手延べ」ですよね。(お手頃価格のものは「機械麺」が主流です)
うどんも手延べだと高級なお味がするのでしょうか?地元の名産品のはずなのに、これまで意識して食べたことがありませんでした。
地元が誇る「手延べうどん」をもっと知りたい!ということで、その魅力を探ってみることにしました。
国道2号線を走っていると必ず目に入る赤い看板。手延べうどんのトップメーカーのひとつ、岡山手延素麺株式会社です。
ずっと工場か倉庫だけがあるのだと思っていたのですが、敷地内に直売所があり一般人でも中に入って購入できるらしい。看板の右下に見える平屋の建物に直売所と表示があります。
駐車場は門を入って、右手に進んで直売所前の駐車場に停めるのが便利ですよ。
のぼりや暖簾がかかっているので、ここがお店だとすぐにわかりました。
スッキリわかりやすい陳列で、色々な種類の手延べ麺を見比べながら購入できるようになっています。
箱入りの商品は、包装や配送もしていただけるようです。ちょっとした手土産やお中元・お歳暮を買うのにも便利そう。
賞味期限が短い商品は特価で販売していました。短いといっても数か月先までのものが多くて、それが数百円で買えるなんてめちゃくちゃお得。直売所ならではのお楽しみですよね。
タイミングによって商品が変わるようなので、掘り出し物を見つけにちょくちょく訪れるのもよさそう。上記写真は決算セールの頃だったので、特に特売品が充実していたのかもしれません。
「里庄カレーなんとか」企画の対象商品もこちらで購入できます。もちろん即買いしました。
手延べうどんと手打ちうどんの違いは、どちらに優劣があるのではなくまったくの別物だとお店の方に教えていただきました。コシがあるとか無いとかの違いでもなく、説明が難しいので「とにかく食べてみてください」と。
せっかくなので食べ比べしてみようと思って、色々と種類の違う商品を買ってみました。商品を実際に見ながら少しずつお試し購入できるのは直売店の良いところ。自分で食べてみて気に入ったものをお歳暮やお中元、お土産などに利用してみたいと思いました。
▼「手延べうどんにあうカレー」をおうちで作ってみました
紙のパッケージの中に、レトルトパックが2袋入っていました。2人で食べても良し、2回に分けて食べるも良しです。
うどんは別売りなので、自分の好きな種類を合わせることができます。一番人気は細めの「風すず音」とのことでしたが、私は太めが好みなので「手延べうどん」をチョイス。
カレーを湯煎で温めながら、うどんを茹でていきます。
ここで、細うどん「風すず音」の人気が高い理由が少しわかりました。
太麺は茹で時間が長いのです。
太麺の「手延べうどん」は茹で時間12〜13分&蒸らし5分で、完成まで20分近くかかりました。一方、細麺の「風すず音」は、茹で時間5〜7分で蒸らし不要なので半分以下の時間で調理できます。手軽にサッと食べようと思ったら細麺に軍配があがるかな。
茹であがったうどんはザルに取ってサッと水洗いします。手延べ麺はたくさんの塩水で麺生地を練るので塩が麺に残りやすいのだとか。美味しくいただくためには説明書通りに手間暇を惜しまずに調理していきましょう。時間がかかった分だけ楽しみも倍増するはず。
「手延べうどんにあうカレー」の場合、湯切りしてレトルトをかけるだけです。ここは楽ちん。(ネギは自分でのせました)
辛味はあまりなく、あっさりとしながらもコクがある和風な味付けが確かに「手延べうどん」によく合います。じっくり煮込んだのであろうトロトロのたまねぎと、コロコロとしたお肉も存在感があって食べ応えがありました。
▼極細うどんの「絹ひめ」と特製だしセット
個人的にヒットだったのは「絹ひめ」とだしのセット。
絹ひめ専用のだしパックには味がついており、鍋でお湯を沸騰させ、パックと麺を一緒に入れるだけ。麺から出てくる塩も計算して味付けされているので、麺の下茹でも、水洗いも不要とのこと。
麺を入れる前に味見してみるとほとんど味がしなくて「こんなので大丈夫かな?」と思いましたが、麺を入れて茹で上がるとあら不思議。ちょうどよい味に仕上がってビックリ。
「絹ひめ」は極細なので茹で時間が3分と短く、カップ麺並みの手軽さにも驚きました。だしパックには、かつお節や昆布などの贅沢な国産の素材が使われており、ジャンクフードのような罪悪感も無し。
野菜やお肉など何でも鍋に一緒に入れちゃえば、あっという間にヘルシーな煮込みうどんの出来上がりです。
麺の長さが短いので、小さなお子さんや年配の方でも食べやすくて人気なのだそう。我が家にも常備しておきたいなと思いました。
▼購入は直営店かECサイトで
直売所の営業時間は平日の朝9時から夕方5時まで。残念ながら土日祝日はお休み(※7月〜お盆前、11〜12月下旬は土曜も営業)。こんな風に門が閉まっています。平日にお仕事をされている方はこの風景しかみたことないかもしれません。私もそうでした。
直営店まで買いに行けないという方もご安心ください。通販でのお取り寄せが可能です。インターネットだけでなく、電話注文も可能のようですよ。通販では「遙竹庵(ようちくあん)」、スーパーなどで販売しているものは「かも川」でブランド展開されているそうですよ。
▼最後に、肝心の「手延べうどん」の感想
確かに言語化するのが難しいのですが、お馴染みの手打ちうどんが杵つき餅だとすると、手延べうどんは白玉団子みたいな感じでしょうか。つるつるもちもちと艶があって、ぷるんとしたのどごしや、歯ざわりがクセになりそう。
おなじ「うどん」という名称でも、別ジャンルの食べ物みたい。「うどんが食べたい」ではなく「手延べうどんが食べたい」と言ってくれる方が増やせるくらい、もっともっと究めて、多くの方に知っていただきたいと思いました。