戦火のシリアに「北朝鮮公園」がオープン
今年の春、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の特使を務めるアメリカの女優、アンジェリーナ・ジョリーさんが国連安全保障理事会で発言。シリア周辺の難民キャンプを10回以上にわたって訪れた経験に基づき、娘を性奴隷として武装勢力に奪われた母親や、空爆で母親が死亡し、5人の兄弟の面倒を見る11歳の少女の事例に言及した。
アンジェリーナ・ジョリーさんは、過去にも不法滞在の元脱北少年に対する無料の弁論支援に乗り出すなど、難民問題や飢餓問題に積極的に取り組む女優の一人だ。
5年にわたって続くシリア内戦では22万人以上が死亡、400万人近くが難民化している。
そんな悲劇の真っ只中に、シリア政府はこのほど、北朝鮮との友好を強めるための「金日成公園」を開園した。
北朝鮮の金正恩氏は、シリアのアサド大統領と頻繁にメッセージを交換している。また、アサド大統領は今年3月、シリアを訪問した北朝鮮外務省の代表団と面会し、米国はシリアと北朝鮮の「共同の敵」であるとして、団結の強化を訴えている。
反政府勢力やイスラム国などの武装勢力に押され、苦境に立たされているシリアにとって、北朝鮮はイラン、ロシアと並ぶ主要な支援国だ。北朝鮮からは大量の武器が渡っており、イスラム国がヨルダン軍パイロットを捕虜にした際、撃墜に使われた対空ミサイルも北朝鮮製だとされる。
また一部では、北朝鮮の兵士がシリアに派遣され、アサド政権のために戦っているとの情報も出ている。
マスコミはまったくと言っていいほど報じていないが、血で血を洗う中東の紛争の「当事者」が、日本のすぐ隣にいるのである。