発生が予想される熱帯低気圧は、来週後半、沖縄などに影響する可能性も?
熱帯低気圧はいつ発生?
タイトル画像にある雲の様子をみると、低圧部の中心付近で活発な積乱雲が湧き始めていますが、きょう3日(土)午後3時の実況天気図上でも、まだ中心の位置がハッキリとしない低圧部の解析となっています。
最新の気象庁の予想では、あす4日(日)午前9時でもまだ低圧部の予想ですが、あさって5日(月)午前9時には中心付近の循環の位置がハッキリとする熱帯低気圧に変わる見通しです。
ただ熱帯低気圧に変わるタイミングはまだやや不確実で、もう少し早くなるかもしれないし、遅くなるかもしれない、という状況だと思います。
太平洋高気圧の縁を西進か?
発生が予想される熱帯低気圧の進路を決めるカギは、太平洋高気圧の位置やその強さにあると言っても過言ではありません。
この太平洋高気圧の予想をみると、あさって5日(月)の段階では、日本の南で東西に割れるような形となるため、もしこのままの状態が続けば、熱帯低気圧はこの東西に割れたあたりを北上し、日本の東へ北東進していくようなパターンが考えられます。(かなり少数派ながら、このような進路予想もまだ見られます。)
ところが、来週の後半にかけて、東西に割れていた太平洋高気圧は手をつなぐように日本の南で勢力が強まる予想で、こうなると熱帯低気圧はこれを押しのけて北上することは難しくなり、太平洋高気圧の縁に沿って、西寄りに進む可能性が大きくなると思われ、実際にそのような計算が多くなってきています。
また太平洋高気圧の中にうずもれながらも、東からの強い張り出しに押されるように西進する計算もあります。
ただどのあたりをどのタイミングで西寄りに進んでいくのかは、太平洋高気圧の強まり方次第ということもあり、引き続き、不確実性が大きくなっています。
さらに台風の勢力にまで発達するのかもまだ不確実ですが、日本の種々の計算に比べて、海外の計算の方が発達を示唆するものが増えてきている印象です。
このあたりは海水温が30℃前後もある暖かな海面上を西進する可能性が高いため、たしかに勢力を強める可能性もあり、今後要注意だと言えます。
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の予想は?
あくまでも参考ではありますが、最新のヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の予想をみると、今ある熱帯擾乱(ねったいじょうらん)とみられる低気圧は、勢力が強まる太平洋高気圧の縁を西進し、あるいは東からの張り出しに押されるように来週の8日(木)から9日(金)頃、沖縄近海に進む予想となっています。
気象庁による沖縄県那覇の週間予報では、このあたりを湿った空気の影響ととらえ、8日(木)から9日(金)の予報に傘マークを付けている他、『期間の後半は気圧の傾きが大きくなり、海上ではしける所があるでしょう』とまだ不確実ながらも熱帯擾乱が近づく可能性のあるコメントも発表しています。
このように発生が予想される熱帯低気圧は、きのう、おとといよりは西進傾向で揃ってきてはいるものの、果たして沖縄に近づくのか、沖縄のずっと南を西進するのかなど、その進む場所やタイミング、また勢力予想にはかなりばらつきがあり、引き続き、不確実性は大きくなっています。
今後も最新の状況や予想をお伝えしていきたいと思います。