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相手を不快にさせない『お断りメール』の書き方【メール文例付き】

太田章代新人育成トレーナー

新型コロナウイルス感染症の流行で、予定していた仕事が中止になったという方も多いのではないでしょうか。私自身も例外ではありません。「お願いしていた研修の開催を見送ることになりました」という『お断りメール』を、何通も受け取りました。

受け取る側として気づいたのは、メールの文面によって、断られる方の気持ちは大きく変わってくるということです。

仕事のキャンセルは、コロナの関係で仕方ないと理解はできても、『お断り』に配慮がなかったり、冷淡に思える書き方では、今後の関係に影響が出てしまうこともあり得ます。

そこで、『お断りメール』を送る際に気をつけたい、「受け手の感情を損ねずにスムーズに断る文章のコツ」をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

メールで上手に断るための4つのポイント

メールは文章だけでやり取りをします。直に会って話す場合には、顔の表情や口調でも気持ちを伝えることができますが、文字でしか内容を伝えられないメールは、ただでさえ冷たい印象を与えてしまいやすいという性質があります。

ましてや『お断り』という言いづらい内容は、会って伝える場合でも配慮が必要になるシーンです。当然のことながら、感情を伝えにくいメールの場合、さらに言葉のチョイスに気を配る必要が出てきます。

1.「お断りします」は、こう言い換える

では、「お断りします」は、どのように伝えたらいいのでしょうか。そのまま「お断りします」と書いてしまうと、直接的できつい印象に響いてしまう可能性があります。

そこで、以下のように言い換えましょう。

・見合わせることになりました
・見送らせていただきたく存じます
・ご遠慮させていただきます
・差し控えさせていただきます 

このように、言葉を変えるだけでも、随分と印象が変わります。

2.『クッション言葉』と「自分の心情」をプラスする

文頭に『クッション言葉』を入れることも有用です。『クッション言葉』とは、そのまま書いてしまうときつい印象を与えてしまうときに、緩衝材となってショックを穏やかにしてくれる言葉です。『クッション言葉』をプラスすることで、受け手への気遣いを示すことができます。さらに、『クッション言葉』に足して、残念に思っている自分自身の心情も付け加えると、より心配りが伝わります。

以下が、『クッション言葉』の例です。

・本来ならばお引き受けしたいところですが 
・ご意向に添えず申し訳ございませんが 
・お役に立てず心苦しいのですが
・大変恐縮ではございますが
・あいにくではございますが
・誠に心苦しいのですが
・大変勝手申しますが
・今回は失礼ながら
・せっかくですが 
・大変残念ですが  
・不本意ながら

こんな『クッション言葉』を入れると、文章が柔らかになります。

3.『お断り』の理由は簡潔に

『お断り』の理由をはっきりと説明することも、受け手への誠実さを示す意味で大切です。とはいえ、言いにくいことだからと、クドクドと長く説明してしまうと、肝心の用件がわかりにくくなってしまうので、『クッション言葉』に続けて、要点を簡潔に伝えましょう。

たとえば、以下のような理由を付け加えます。

・新型コロナウイルス感染拡大により、
・ご希望の商品については、入荷時期が未定となっており、
・弊社の休日の関係により、

このような説明で十分です。

4.未来へ続く、締めの言葉

しっかりと誠意を持って用件を伝えた後は、締めの言葉も大切です。今後も相手と円滑な関係性を築いていくために、最後の文章も真心を込めて締めくくりましょう。

・次年度はぜひよろしくお願いいたします 
・今後はご期待に沿えるよう努めてまいります

このような言葉で締めくくれば、お断りしても関係が途切れてしまうことはないでしょう。

講演会が中止になった場合の『お断りメール』の文例

〇〇株式会社
△△△△様

いつも大変お世話になっております。
〇〇株式会社の××でございます。

早速ですが、お願いしておりました1月20日(木)の
講演会についてご連絡を差し上げました。

誠に心苦しいのですが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、
今回は講演会開催を見合わせることにいたしました。

△△様にはご講演をお願いしておきながら大変勝手申しますが、
1月20日(木)については一旦キャンセルとさせていただけますでしょうか。

このたびはご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
ご不明な点等ございましたら、いつでもご連絡くださいませ。

新型コロナウイルスの感染もやや落ち着いてまいりましたが、
寒い折でもありますので、どうぞ△△様もご自愛ください。

今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。

まとめ

『お断りメール』の送付には、入念な言葉選びが必要です。ビジネスパーソンとしての資質は、「断り方」にこそ表れます。

ともすれば「冷たい」と受け取られてしまいがちなメールでも、文面を一工夫するだけで、ソフトな印象を与えつつ断ることが可能です。『お断りメール』を送る必要に迫られたときは、ぜひ参考にしてください。

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太田 章代

新人育成トレーナー

愛知県岡崎市出身。損害保険会社の事務員から広告代理店の営業職に転職。入社2年目から6年連続売上トップ。32歳で統括本部長に抜擢。50人の部下を指導する。35歳代表取締役に就任。その後、2006年人材育成事業で独立。現在まで研修&講演に2,000本以上登壇。離職率の低下や、職場のコミュニケーション改善などで成果を上げる。独自の体験型講演が好評をいただき、講師評価98.7%でリピート率も高い。研修&講演を通して【働くを楽しむ】社会創りに貢献するという使命のもと、日本全国で精力的に活動中。

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