エルニーニョ現象で沖縄は高温・多雨・日照不足
【夏日多く・梅雨時期の雨量に相当】
去年から続くエルニーニョ現象の影響で、沖縄地方は高温・多雨・日照の少ない状態が続いています。
那覇の去年12月の平均気温は20.1℃と平年を1.4℃上回る気温となりました。12月に最高気温25℃を超えた夏日は6日となり、平年の3倍以上の多さとなっています(12月の那覇の夏日日数の平年値は1.8日)。また、12月上旬からの降水量は宮古島で400ミリを超え、石垣島は500ミリ弱と平年の2倍以上の多さとなっています。これは沖縄の梅雨時期である5月と6月を合わせた降水量に相当する雨の量となっています。
【エルニーニョ現象とは】
エルニーニョ現象とは、南米の赤道付近で海水温が高くなる現象で、エルニーニョ現象によって大気の流れが変わった結果、日本の西側で偏西風が蛇行しやすく日本全体が暖かくなっています。
また、沖縄には南から暖かく湿った風が入りやすくなっている為、気温が高く湿った風の影響で雨が多く、日照の少ない状態が続いています。沖縄で生活をしていると、冬なのに薄着で歩ける例年にはない暖かさや、雨の影響で洗濯物を外干しが出来ないなど天気のぐずつく日が多い事を実感します。
【エルニーニョ監視速報】
12日(火)に気象庁から発表された最新の情報です。
気象庁によりますと、エルニーニョ現象はピークを越えたとみられ今年夏までに平常の状態になる可能性が高いとしています。
【製糖工場や野菜などへの影響・農家の声】
宮古島や石垣島では長雨の影響で、さとうきびの収穫に使う機械が、長雨でぬかるんだ畑に入る事が出来ず製糖工場での作業が出来ない状態となっています。「今季工場がフル稼働したのは1日だけ。こんな長雨は初めて(宮古島サトウキビ農家の声)」
また、高温や日照不足による野菜の生育や収穫にも影響を及ぼしており、「気温が高い日が続いた為、路地栽培のレタスは玉の持つ温度が30℃まで上がって(適温は20℃~25℃)葉の先端が腐れてきたり、12月まで雑草が伸びていた(本島南部のレタス農家の声)」「日照不足で花粉が出ずに受粉が出来ない、褐斑病(かっぱんびょう)と言って湿度が高いとカビが発生する病気の影響で、葉がどんどん枯れていく(石垣島のかぼちゃ農家の声)」など被害が出ており、今後さらに他の農作物への影響が懸念されます。
【今後の影響は?】
気温の日々の変動はありますが、全体的にみると2月上旬にかけての平均気温は高い予想となっています。天気は低気圧や前線の影響で、降水量は多く、日照時間は少ない予想となっていて、引き続き農作物への影響が心配されます。今年の沖縄地方はエルニーニョ現象の影響が顕著に出ています。天候不順の影響を直接受ける生産農家などの対応が急がれます。今後私たち生活にどのような影響が出るのでしょうか。