【今年は12レース】ジャパンカップみどころ解説 オッズも人気集中の3頭、不安要素は?
前日発売のオッズは話題の3頭に人気が集中
11月29日に行われる第40回ジャパンカップの前日単勝オッズが28日にJRAより発表された。1番人気は芝GI8勝という神々しい実績を持ちながらもこの日を以って競走生活にピリオドを打つアーモンドアイ(牝5、美浦・国枝厩舎)で2.2倍。2番人気は無敗で牡馬クラシック三冠を達成したコントレイル(牡3、栗東・矢作厩舎)で3.1倍、3番人気は無敗で牝馬三冠を達成したデアリングタクト(牝3、栗東・杉山厩舎)と、話題の3頭が想定どおり1~3番人気におさまっている。
続く4番人気はグローリーヴェイズ(牡5、美浦・尾関厩舎)の19.2倍とだいぶ開きがあるところをみても、上位3頭に期待と人気が集中していることがよくわかる。
馬連、馬単、枠連など違う券種をみても、どれも話題の3頭の組み合わせはほぼ一桁倍率と極端に人気を集めている。
無敗の三冠馬とはいえコントレイルとデアリングタクトにとっては初の古馬相手であり、まして実績が格段に上位のアーモンドアイとの対決であるにも関わらず、ここまで馬券が互角集中するとは馬券的にはなかなか手を出しにくい。
応援する気持ちと馬券的妙味のバランス
そこで筆者は、「愛馬を応援する気持ちを馬券に託す行為」と「賭けごととしての馬券的妙味」については分けて考えたい、と思った。今年のジャパンカップでは、話題の3頭に集中したこのオッズの中に彼らへのアスリートとして、アイドルとして応援したい、という気持ちがたくさん含まれているように察せられるからだ。
まして、東京開催の最終日であり、馬場の内側はだいぶ荒れているなど、不安的な要素は決して少なくない。
結果的には「堅くおさまった」と表現される配当で決まるかもしれないが…。この数字ほど手堅いレースではないように感じる。
三冠馬が誕生した世代のレベルは低いのか?
女王アーモンドアイとの対決に当たり、気になるのは今年の3歳馬の世代レベルだ。
過去に三冠を達成した複数の陣営から、目一杯ではない仕上げだったが世代の中では力が抜けていたので勝ち続けることができた、という話を何度となく聞いたことがある。
しかし、だからといって三冠馬の出た年は世代レベルは低いのだろうか?そのような俗説があることは知っているが、筆者は決してそうは思わない。
後続に皐月賞3馬身半、日本ダービー5馬身、菊花賞7馬身をつけて三冠を制したナリタブライアンの世代は、確かに三冠レースを一緒に走った馬の中にGIを制した馬はいなかった。
しかし、ディープインパクト(2005年)と同世代には、芝ではふるわなかったがダートではGIを9勝しGI最多勝記録を持つヴァーミリアンがいる。
牝馬三冠を制したスティルインラブの世代には、GIを2勝し後にダービー馬ドゥラメンテを産んだアドマイヤグルーヴもいる。
オルフェーヴル世代にはサダムパテック、ベルシャザールといったGI馬も誕生している。
現3歳世代の古馬対決での活躍
先週のマイルチャンピオンシップではコントレイルと共に今年の3歳クラシックを盛り上げたサリオス(牡3、美浦・堀厩舎)が参戦。最終的にグランアレグリアに続く2番人気に推されたが、寄られた期待ほどは見せ場もなく5着に敗れたことから、現3歳世代のレベルを疑問視する声を聴かなかったといったらウソになる。
しかし、あのマイルチャンピオンシップのレースで現3歳世代のレベルを評価するのは早計だと筆者は思う。サリオスはマイルチャンピオンシップではしっかりと上がり33秒1で上がってきているし、位置取りの差など結果が出なかった要素はいくつもあるように見受けられるからだ。
実際、他の3歳勢をみても、サリオスが毎日王冠で古馬相手に優勝したようにアルゼンチン共和国杯(GII)ではオーソリティ(牡3、美浦・木村厩舎)が優勝、富士ステークス(GII)ではラウダシオン(牡3、栗東・斎藤厩舎)が2着、ダート重賞のシリウスステークス(GIII)ではカフェファラオ(牡3、美浦・堀厩舎)が楓勝、と活躍が目立っている。
このような背景から、むしろ現3歳世代への期待は高まるばかりなのだ。
今年のジャパンカップは第12レース
とはいえ、GI9勝目を狙うアーモンドアイ。ここまで無敗を続けてきた2頭を相手にどのようなレースを魅せてくれるのか楽しみでならない。
最後に、とても大事なことを書いておく。
今年のジャパンカップは第12レースで行われる。JRAのメインレースは11レースに行われることが多いだけに、マークシートをうっかり塗り間違えないよう注意していただきたい。
また、ジャパンカップの出走馬については、土曜日に掲載した記事にまとめてある。読者の皆様の馬券検討の参考になれば幸いである。
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【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】