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ダブル台風(17号と18号)の動向は?鍵を握る太平洋高気圧と偏西風の兼ね合い

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雲の様子(ウェザーマップ)

台風17号は関東沖を北上か

台風17号の予報円(ウェザーマップ)
台風17号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風情報(気象庁発表)

台風17号は、きょう28日(土)午前9時現在、マリアナ諸島にあって、北西に時速15キロで進んでいます。今後はやや発達しながら北上し、あす29日(日)からあさって30日(月)にかけて、小笠原近海を通過したあと、1日(火)には暴風域を伴い、関東の沖合を通過する見込みです。予報円の西側を北上するほど、関東に接近する可能性がある予報円となっています。

太平洋高気圧と偏西風の兼ね合いは?

1日(火)朝の予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
1日(火)朝の予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

上図は台風17号が関東の南に北上してくる1日(火)朝の太平洋高気圧と偏西風の兼ね合いです。太平洋高気圧は関東の東あたりまで壁があり、最大のポイントはこの壁が強まるか弱まるかです。壁が強まるほど台風17号は西へ押し出され、関東へ近づく可能性がありますが、その後は偏西風に流されて、三陸沖を北東へ進むでしょう。

関東で荒天の可能性も

雨と風の予想(ウェザーマップ発表)
雨と風の予想(ウェザーマップ発表)

上図は日本のGSMモデルによる雨と風の予想です。1日(火)正午には、暴風域を伴った状態で台風17号が関東沖を北上する予想で、先述したとおり、太平洋高気圧の壁が強まるほど、この台風17号の渦巻きが関東へ近づくでしょう。このGSMモデルでは荒天域が海上を通過する予想ですが、まだかなりブレがある状態です。

台風18号は、沖縄から九州方面へ?

台風18号の予報円(ウェザーマップ)
台風18号の予報円(ウェザーマップ)

きょう28日(土)午前9時、フィリピンの東海上で、台風18号が発生しました。今月8個目となり、9月としては11年ぶりの多い発生数となっています(台風の発生数)。台風18号は、今後、時計回りにUターンするように北上し、来週2日(水)から3日(木)にかけて、暴風域を伴う強い勢力で、石垣島などに接近する見込みです。その後は、速度を上げて、東シナ海を北東方向へ進む可能性が高くなっています。

太平洋高気圧と偏西風の兼ね合いは?

3日(木)朝の予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)
3日(木)朝の予想(ウェザーマップ発表に筆者加工あり)

上図は台風18号が東シナ海を北上するであろう3日(木)朝の太平洋高気圧と偏西風の兼ね合いです。太平洋高気圧は台風17号が関東沖を通過したあと、西に強く張り出し、東日本から西日本の一部までを覆うでしょう。最大のポイントは、やはりこの太平洋高気圧がどこまで強く西へ張り出すかとなります。強く張り出すほど、台風18号は九州から離れた所を北上する一方、張り出しが弱まるほど、西日本へ近づくように北上することになります。その後は偏西風に乗り、加速して北東方向へ進むでしょう。

西日本で大荒れか

雨と風の予想(ウェザーマップ発表)
雨と風の予想(ウェザーマップ発表)

上図は日本のGSMモデルによる雨と風の予想です。3日(木)昼には、暴風域を伴った状態で九州の西海上まで北上する見込みで、台風17号よりスケールが大きいため、九州では大荒れとなり、その他の西日本でも風が強まり、荒天となる予想です。また先述したとおり、太平洋高気圧の張り出しが弱まるほど、この大荒れゾーンが西日本全体へ拡大するおそれがあります。

今後もダブル台風(17号と18号)の最新の予想にご注意ください。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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