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ザポリージャ原発、最後の非常用電源が損傷し切断されたとIAEAが発表

今井佐緒里欧州/EU・国際関係の研究者、ジャーナリスト、編集者
(写真:ロイター/アフロ)

国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は、ロシアが支配するザポリージャ原子力発電所の最後のバックアップ電源が、ドニエプル川の向こうの対岸のミサイル攻撃で損傷したため、切断されたと声明で述べた

被害の程度はまだ正確にはわからないが、修理作業はすでに始まっているとのことだ。

同機関の専門家チームの報告によると、この330キロボルトの接続が切れたのは、現地時間で29日木曜日の午後9時35分、日本時間では30日午前4時35分だ。

ザポリージャにある6基の原子炉は停止しているが、原子炉冷却やその他の原子力安全およびセキュリティに不可欠な機能に必要な電力を、ウクライナ紛争以前に稼働していた750キロボルトの外部送電線のうち、唯一残った線から供給されている。

この非常用電源はまだ機能している最後のもので、「できるだけ早く修理することが重要だ」とグロッシ氏は主張し、原発の安全・安心を脅かす軍事行動は直ちに中止しなければならないと改めて強調した。

声明によると、先月以来、工場は砲撃を受けていないが、現場にいたチームは30日金曜日に「工場から数百メートル離れた場所で」爆発音を聞いたという。

欧州/EU・国際関係の研究者、ジャーナリスト、編集者

フランス・パリ在住。追求するテーマは異文明の出会い、平等と自由。EU、国際社会や地政学、文化、各国社会等をテーマに執筆。ソルボンヌ(Paris 3)大学院国際関係・欧州研究学院修士号取得。駐日EU代表部公式ウェブマガジン「EU MAG」執筆。元大使のインタビュー記事も担当(〜18年)。編著「ニッポンの評判 世界17カ国レポート」新潮社、欧州の章編著「世界で広がる脱原発」宝島社、他。Association de Presse France-Japon会員。仏の某省機関の仕事を行う(2015年〜)。出版社の編集者出身。 早稲田大学卒。ご連絡 saorit2010あっとhotmail.fr

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