ノルウェー王女の霊媒師の婚約者が「爬虫類人である」と主張する陰謀論と問題
マッタ・ルイーセ王女が婚約したシャーマン(霊媒師)であるデュレク・ベレット氏は、これまで数々の奇妙な発言を残してきた。
「天使や死者と交信できる」のはマッタ・ルイーセ王女にもできる。
プリンセスの口から「天使」「死者」は何度も聞いてきたノルウェーの人々にとっては、それくらいなら大きなショックではない。
だが、
- 「原子を変えて、若返りが可能で、自分は普通の人間ではない。爬虫類とアンドロメダのハイブリッドです」
- 「古い世界の古い魂のエネルギーが私には宿っている」
- 「人類が真に解放されるために爬虫類人(レプティリアン)は現れた」
これは昨年10月に本人がインスタグラムで英語で投稿した内容の一部だ。
ノルウェーメディアが一斉に報道した後に、本人は投稿を削除。
しかし、もうスクリーンショットを撮られているために、彼の投稿は残ったまま今もノルウェーの記事で頻繁に紹介されている。
アンドロメダとは、アンドロメダ銀河の星座やギリシャ神話の王女を意味する。
自分は「ヒト型爬虫類」だという、「普通の人間ではない」と本人は言っているわけだ。
ここ数日のプリンセスの婚約記事では、「プリンセスは、半分が爬虫類だと自称する人と婚約した」とよく書かれている。
真面目なノルウェーの記者たちが真剣にこういう文章を書くのだから、不思議な時代になったものだ。
デュレク・ベレット氏の「自分の半分は爬虫類、もう半分は銀河」、「ヒト型爬虫類レプティリアン」という主張は昔からある陰謀論であり、ノルウェーのメディアは「気を付けるように」と市民に情報発信をしている。
ベレット氏は「がん患者を救うことができる」という発言もしていた。病気を治療できるわけではないが、患者を救うことはできると言っている
病人を救うことができるという発言は違法となる場合もあるため、カップルのスピリチュアル商業イベントは、ノルウェー消費者局にもマークされている。
ベレット氏は5Gの電波にも懐疑的だ。
爬虫類人だという発言と共に、「陰謀論に染まりやすい人物だ」という認識がノルウェーでは広まりつつある。
今まではプリンセスの恋人だったが、これからは婚約者だ。
このような陰謀論やニセ化学(疑似科学)を信じる人物がロイヤルファミリーの一員になるわけで、これがノルウェーでの心配事のひとつなのだ。
「爬虫類人(レプティリアン)」という陰謀論はノルウェーでも知られているものではない。
だからこそ、ベレット氏の発言の一部は「陰謀論だ」「確証がない」と、ノルウェーのメディアは発信し続けることが今後の役割になるだろう。
そうではないと信じる人もでてくるからだ。
プリンセスの婚約者・夫の発言となると、関心を持つ人も増える。発言の重みが増してくる。
ベレット氏とノルウェーのメディアは、これまでも何度か衝突してきた。
ベレット氏はノルウェー市民にも「自分の発言で傷ついた人がいたなら謝ります」と、ノルウェーと米国の間にあるカルチャーショックと自分は向き合っていると語ったこともある(公共局)。
ルイーセ王女はまだ王室の秘書チームのサポートやアドバイスを受けて育ってきたため、ノルウェーのメディアとの付き合い方を身につけている。だが、婚約者は別だ。
ベレット氏は「批判的」であることを使命とするノルウェーのメディアにまだ慣れていない。
婚約者となったからには、今後はさらにメディアや各業界の専門家に注視されるようになるだろう。