夜のメリケンパークで今、面白いものが見られるのをご存知でしょうか。その名も「メヤメヤ」。どこかでポスターを見かけた人もいるかと思いますが、少し謎めいた気配が漂っているのが気になりますよね。

場所はメリケンパークの「BE KOBE」モニュメントがある東辺り。そこら一帯がメイン会場なのですが、海洋博物館の屋根とも連動して広範囲で光のイルミネーションショーが展開されています。

その姿はまるでオーロラのようでもありますが、実はそれよりも更に興味深いテーマが掲げられています。それを神戸の人たちに体感してもらうのがこのイルミネーションのひとつの目的でもあります。さて、それは何でしょうか。早速その世界を覗いてみましょう。

18時スタートで約30分間たっぷりの光のショーが始まります。「メヤメヤ」では、その半時間ほどの中でひとつの物語が展開されていき、穏やかなシーンからクライマックスの盛り上がりまでがじっくりと演出されます。それがファイナルの21時まで途切れることなく繰り返されていくのです。

イルミネーションのテーマは「海中世界」。海底に沈んでいく錨が観ているような世界観を体験できます。神戸には山も海もありますが、海の中に入り込んでいけることは滅多にありませんよね。そんな神秘の世界がここで表現され、その海底のイメージの中へ私たちはトリップしてしまえるのです。

海の中には水の揺らぎがあり、海面から差し込む光もあります。まるでそんな光景を下から眺めているような感覚を体験できる「メヤメヤ」…周りの木々がブルーや黄色、赤に色を変えていくシーンは、まるで色鮮やかなサンゴの森がそこに現れたかのようです。

私たちの住んでいるすぐ近く、海の中にこんな癒しの時間が流れているということを実感できると、少し疲れた時にこれを思い出して意識をそこに合わせてみるだけでも気が楽になることもあるかも知れません。

上を見あげたままに広がっていく想像力は果てしなく、優しげな音もまた心の奥まで浸透していきます。周りに人はいますが騒がしくはなく、言葉のない静かな空間の中で皆が穏やかに繋がっているかのようです。

会話がしにくくなっている今、逆に私たちの五感は以前よりも研ぎ澄まされていっているのかも知れません。ここでは、言葉に表さなくても伝わる方法はいくらでもあるということを感じられます。

隣にいる誰かとの会話がない分、より多くの人と同じ場所で意識を共有できる時間があります。その心地よさはきっと、会話そのもの以上に安心感や繋がりを知れるものとなるでしょう。

冬にしては寒過ぎず穏やかな天候に恵まれているので、この場で留まったままリラックスして眺めていられました。暖かなお茶などを持って行ったりするとよりいっそう楽しめそうですね。

近くにはキッチンカーの姿もちらほら。週末にはもっと盛り上がるかもですが、日曜にはグッと冷える天気予報もあるので暖かな格好で準備して行くといいかも知れません。もしかすると雪のギフトが、更に美しい世界観を作り上げてくれるかもですよ。

MEYAMEYA (KOBEメヤメヤ)

〜12月26日まで毎日開催〜