【富士宮市】世界かんがい施設遺産に登録された『北山用水~徳川家康ゆかりの本門寺堀~』を訪ねてみた
現在市役所入口には、『祝登録 世界かんがい施設遺産⁻徳川家康公ゆかりの本門寺堀⁻北山用水』という大きな幕が掲げられています。
世界かんがい施設遺産とはなんだろう?と思い調べてみました。
世界かんがい遺産とは
今月行われた国際かんがい排水委員会の国際執行理事会で富士宮市の北山用水の登録が正式に承認されたそうです!
早速、世界かんがい施設遺産に登録された北山用水を訪ねてみました。
北山本門寺駐車場の道路側に、教育委員会が設置した看板、そして駐車場の端に記念碑が建っていました。
その横を勢いよく水が流れています。
看板には北山用水が本門寺境内を流れているところが記されていたので、北山用水に沿って境内を歩くことにしました。
日出上人廟横の橋の上から。
勢い良く流れる水は開山堂の裏のハヤシを抜けていきます。
その先には見覚えがあるような屋根の形を持つ神殿がありました。
こちらは伊勢神宮のご祭神と同じ天照大神を祀ってるのだそう。そう聞くと伊勢神宮の屋根の形と似ているような気がします。
こちらを通り過ぎると、今度は重須大神を祀った神殿の前を通ります。重須はこの辺りの地名のことのようです。
重須大神を祀る神社を通り過ぎ、北山中学校と境内の間を通り、先ほどの看板のある場所へと繋がっていました。
歴史
徳川家康が武田氏との戦いに向かう際、本門寺に立ち寄り、日出上人からご本尊を借用しました。ご本尊返却時に勝利の礼にと、日出上人に望みを聞きました。
日出上人は水不足だったこの地域を救うため、用水の開削を願い出、家康は家臣の井出正次に開削を命じたとされています。
内野の横手沢で芝川から取水した北山用水は、江戸時代中期までに拡張され、山宮用水・万野用水・外神用水・宮原用水などに分岐し、広範囲を潤すようになりました。
富士宮は富士山の伏流水に恵まれ、昔から水の恩恵がある街だと思っていましたが、水のない場所も多く、雨水に頼る生活をしている地域もあったそうです。
その中で開削された北山用水は、農業の水源が確保でき、人々の暮らしを潤してくれたのでしょう。先人の努力に改めて思いを致し、今ある豊かな暮らしに感謝しました。
北山本門寺(北山用水):富士宮市北山4965