海鮮料理店が訪日外国人に1100円高い価格を設定 飲食店でも二重価格の波が到来か? #専門家のまとめ
インバウンド=訪日外国人に対して、高い価格を設定する二重価格が話題となっています。海外ではインドのタージマハルやペルーのマチュピチュ、エジプトのピラミッドといった観光名所で既に導入。日本でも、世界遺産で国宝の姫路城や、オーバーツーリズムに悩まされる京都の地下鉄やバスで二重価格=市民優先価格が検討されています。姫路城や京都のような観光名所だけではなく、飲食店にも二重価格の波が押し寄せています。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
2024年4月12日渋谷にオープンした海鮮料理のブッフェ専門店は、日本人や日本在住の外国人よりも、訪日外国人に対する価格を1100円高く設定しました。女性の平日ランチ料金は5478円なので約2割増といえます。
飲食業界は人手不足である上に、訪日外国人には英語対応が必要なので、価格転嫁しようとするのは理解できるところ。これには、質が素晴らしいので問題ないとする論調がある一方で、おもてなしに反すると警鐘を鳴らす主張もあります。
観光庁が2019年に実施した調査によると「訪日前に期待していたこと」の1位は「日本食を食べること」で69.7%、「地球の歩き方GOOD LUCK TRIP」が行った2024年のアンケートでは約9割が日本食に満足しているということです。和食が2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されたり、東京が世界で最多のミシュランガイド星つきレストランを擁する都市であったりと、日本の食は世界に認められています。
ただ、総合的な食事の満足度に料金は大きな影響を与えるだけに、これから多くの飲食店で二重価格が設定された時に訪日外国人がどのような反応を示すのか、注視する必要があります。