高齢ドライバーによる判断ミスは減らせるのか。逆走してしまった実例から対策を考える #専門家のまとめ
高齢ドライバーが起こす事故や危険行為が後を絶たない。ペダル踏み間違いだけでなく、最近は深刻な逆走事故や事件も起こっている。ここでは特に危険な高速道路の逆走について、最近の事故を中心に記事を俯瞰することでどう対策すべきか考えてみたい。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
「生活できない」と言われると強制的に免許を取り上げるのも難しいが、運転免許は権利ではなく許可なので「運転能力が無い」と判断されれば、取得時の試験で失格となったように免許を返納するのが本来の形だ。しかし当人たちにそうした意識は薄い。高齢ドライバーは足腰が弱っても「クルマさえあれば何とかなる」と思っている人も多いが、その考えが踏み間違いや逆走事故を引き起こすことに気付いていないのだ。
IC内に丁字路があり、片側は逆走になってしまう構造の道路は意外と多い。逆走予防の判断基準が甘いことも理由で、今後はより逆走しにくい構造に考慮していく必要がある。
目的のICを通り過ぎてしまった時、逆走してしまう理由の一つである「損をしたくない」という欲求の根底には「クルマには毎年多額のコストが掛かるので節約したい」という意識が常に働くことも影響しているだろう。つまり「取りやすいところから取る」という政府の自動車税制も、逆走を起こすきっかけになっているのだ。高齢者以外のドライバーも逆走してしまう可能性があるだけに、ICを通り過ぎてしまった時の対処法(1つ先まで行って係員に報告して乗り直す)を周知させていきたい。