結局、EVはエコなのか。現在の利用環境は? 充電器は10年で交換、故障中も多い #専門家のまとめ
世界中でEVの販売が伸び悩んでいる。原因は色々あるが、補助金による割安感にも限度があり、購入できる層には行き届いたことも理由としては大きい。生産時にはエンジン車よりCO2を多く排出し、化石燃料を使った発電では結局、エコではないと言われていることも販売にブレーキを掛けているようだ。リセール価格の低さや発火事故のリスクなども保守的なユーザーには敬遠されているらしい。では実際の利用環境はどこまで改善されているのか、日本の実情を記事から探ってみた。
ココがポイント
▼ボルボEX30で1000km走破チャレンジ。満充電できない問題や150kw充電を利用できないなど、日本の充電環境での様々な課題が露見
・ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能(EV TIMES)
▼充電スポットは増えているが、閉鎖もあり月毎の集計では減少になるケースも。EV充電スタンドの設置数集計レポート
・EV充電スタンド2024年3月の設置数集計レポート(GoGoEV)
▼テスラ充電器も故障で放置。30分の急速充電は休憩時間としては中途半端という感想も
・テスラ超長距離旅で分かった、“日本式”充電インフラの弱点 他のEVには致命的かも(ITmedia NEWS)
▼EV充電事業大手のエネチェンジが債務超過に? 特別目的会社に赤字を負わせるカラクリが認められず
・債務超過に陥ったEV充電事業の雄「エネチェンジ」…!経産省の「ゴリ押し企業」に暗雲が立ち込める理由(現代ビジネス)
▼タクシーアプリの会社が充電スポット運営に参入。まずは商用EVから、いずれは個人向けのサービスも
・商用EVの急速充電スポット、横浜に4カ所設置 全国展開へ(毎日新聞)
エキスパートの補足・見解
上記のテスラ充電器は1年以上故障のまま放置され、結局撤去されるようだ。この顛末はGoGoEVのEVスタンド情報で確認できる。利用者が少ないと採算性の低さから撤去を余儀なくされるケースは多い。国のゴリ押しがなければ普及しないモビリティを拡販するのは限界がある。結局は従来のエンジン車よりも利便性やコストで劣れば、普及にはまだまだ時間がかかるのも当然だ。
タクシー配車アプリのGOが充電スポット運営に参入したのは、非常に明るいニュースだ。充電器の性能や信頼性も重要だが、実際に利用するユーザーからは、現在の空き情報だけでなく、予約や充電完了時に移動を促すなど、利便性の向上が求められている。これまでアプリ提供会社が運営したケースはなかっただけに、使い勝手の向上が期待できそうだ。
また筆者はガソリン車と電動スクーターを組み合わせることで、燃費の悪いちょいノリを大幅に減らしている。天気アプリにより降雨予測の精度も高まったので、スクーターは大いに役立つ。軽量なスクーターはより環境負荷の少ないマイクロEVなので、まずはここからの利用も検討してほしい。