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牛肉トロトロ!バンコクの美味しい牛肉麺食堂「クイティアオ ヌア ナーイ ソーイ」はカオサンの老舗

タイ旅行ライター吉田彩緒莉タイ大好きトラベルライター
この牛肉の塊だらけのドンブリを見ておくれー!

ダメだ。もう写真を見ただけでよだれがたれてきた。今すぐ食べたい!今すぐ食べたいんだよう!それくらい、ツキイチ間隔で襲ってくる牛肉麺の誘惑。一人でタイに行く時も、誰かと行く時も、必ずと行っていいほど立ち寄る店がバンコクのカオサンエリアにある「クイティアオ ヌア ナーイ ソーイ」だ。

カオサンエリアの川の玄関・プラアティット船着き場すぐ

「クイティアオ ヌア ナーイ ソーイ」は、昔は安宿街で知られていたカオサン通りに近い。チャオプラヤーエキスプレス(ボート)を使ってカオサンに向かう場合は、最寄り船着き場になるのが「プラアティット(Phra Athit)船着き場」。

船着き場からラマ8世橋の壮麗な姿が見える
船着き場からラマ8世橋の壮麗な姿が見える

船着き場を大通りに出れば、プラアティット通り。車通りは多いものの、落ち着いたショップやカフェ、レストランが軒を連ねる。カオサン通りは今はおしゃれなゲストハウスや、カフェ、バー、クラブ、屋台、リゾートワンピースやタイパンツがこれでもかと売られているショップがひしめき合うに賑やかな通りなのだが、泊まるにはうるさすぎる。
という訳で、プラアティット通りのような、周囲の通りの方が、落ち着いた素敵なプチホテルが多く狙い目。従って飲食店も「いかにも観光客のため!」という派手な造りや似たような店舗が多いのカオサン通りより、現地の人も旅行者も混在している美味しくお手頃なお店が多い。

「クイティアオ ヌア ナーイ ソーイ」もそんな店の一つ。

簡素ながらも活気ある店内。ひっきりなしに人が入ってくる

「クイティアオ ヌア ナーイ ソーイ」は、旅行者に知られる前からタイ人の間でも有名で、壁にはこの店を訪れたタイの芸能人の写真がペタペタと貼られている。

タイ語以外はハングル文字のみ。海外アプローチはなぜか韓国

実はこの店、20年ほど通っているが、どんどん観光客が増えていった。当初はカオサンに泊まっている欧米人バックパッカーが多かったが、ある時期を境に韓国人旅行者が爆発的に増えた。

店内にはタイ語となぜかハングルのみ。
店内にはタイ語となぜかハングルのみ。

しかも店名表記はタイ語とハングル文字だけという、韓国ファーストぶり。
「もしかしたら韓国のガイドブックに載ったのかな?」
「お店の方の身内に韓国の方がいるのかな?」
「店主の命の恩人が韓国人なのかな?」
「店主が韓流ドラマのファンなのかな?」
など余計なお世話だが想像が膨らみまくる。事実韓国人旅行者に会わない日はなく、調味料やメニューを譲り合う際に「アニョハセヨ(こんにちは))」とつい言ってしまい、向こうはにやりと笑って「ニホンジンデスカ?」と日本語で返してくれるやり取りを毎回繰り返してしまう。

店内は清潔でエアコンはないが扇風機の風でそこまで暑くはない
店内は清潔でエアコンはないが扇風機の風でそこまで暑くはない

お茶が無料。ビールもあるよ!

タイあるあるの作法を一つ。テーブルの上にミネラルウォーターのボトルが置いてあるがこれは有料だ。とはいえこの店は何か飲むものを強制的に買え!というスタイルではない。中国茶の入ったポットが席に置いてあり、お茶が飲みたいとジェスチャーなどで伝えると、氷の入ったコップを持ってきてくれる。

中国茶が入っているポット(左奥)
中国茶が入っているポット(左奥)

コーラやスプライト系の飲み物もあるが、私はいつもビールだ!

ビールを頼みたくなる牛肉麺。牛肉をビールのあてに至福の時間

なぜビールを頼んでしまうかというと、こちらの牛肉麺、メニューだけ見るとわかりづらいが牛肉の量が多い。だからトッピングの牛肉をつまみにビールを飲み、麺とスープでしめるのさ(笑)。

タイの食堂でビールを飲む時間が至福
タイの食堂でビールを飲む時間が至福

メニューの見方とオーダーの方法

最近は和牛の麺や(日本国産和牛ではない)ステーキなどちょっとお高めの牛メニューも登場したこのお店。だが私はこの20年、毎回「stewed beef soup」の「大盛り(ピセーッ)」一択だ。

恥ずかしいもんか!だってタイに来た時しか食べられないんだもん。「ピセーッ!」って言っちゃうぞ。

麺以外になんとステーキもある。牛肉を打ち出しまくったお店だ
麺以外になんとステーキもある。牛肉を打ち出しまくったお店だ

メニューを見ながら説明する。

①タイ麺屋台・麺食堂のあたりまえ!まずは麺の種類を選ぶ。

・センミー/極細面
・センレック/普通の細麺
・センヤイ/太麺

この店では米麺三種からお好みを選ぶ。私は米麺の場合、どの店でも適度な喉越し、適度な弾力があるセンレックを選ぶことが多い

②スープと具材を選ぶ

メニュー上で、スープと具材だけの表記がしてある品は、選んだ麺と一緒にいただく形だが、ご飯セットなんてのもある。ご飯と牛肉スープを選択したい場合は、麺の選択は「不要」だと告げよう。「マイアオ、クイティアオ、カー(クイティアオ不要です」で通じる。

③レギュラーサイズがラージサイズを選ぶ

メニュー上のレギュラーの料金が左、ラージ(大盛り)の料金が右だ。

私の場合、合計180バーツ

私のお会計例:LEOビール60バーツに、「stewed beef soup」のラージで合計180バーツ。2024年8月のレートで約750円。
どひゃー!ついにバンコクの食堂ランチもこの値段になりましたか!ひと昔前なら500バーツ台、コロナ禍前でも600円ちょいだったのに~...と、悲しみながらも食べるぜ!
だってバンコクのこの店の味なんだもの。
タイの牛肉料理は決してお安くない。しかもビールも付けてこの値段なら、良心的だ。そもそもラージサイズにせず、お茶だけ飲んでレギュラーサイズを頼んでいれば、417円!まだまだバンコク、安く生きれるぞ。

stewed beef soupがおすすめの理由。コトコト感がたまらない

ところでなぜ「stewed beef soup」をおすすめするの?という声が遠くから聞こえる。理由は店内のこの鍋にある。

弱火でコトコト煮込んでいる
弱火でコトコト煮込んでいる

いつ行っても店内の中央で、弱火でコトコト煮込んでいる牛肉や内臓たちのかぐわしい香りが、たまらんのよー!

この鍋からの香りで他の麺が注文できそうもない
この鍋からの香りで他の麺が注文できそうもない

麺より牛肉多い?シイタケの出汁が香るスープがたまらない!

はい、ドンブリが麺が運ばれてきたよ、ドーン!
私はここ数年ラージサイズばかりオーダーしているので、こんなものだろうと思っているけれど、見てほしい、この牛肉の量!そしてこのゴロゴロサイズの大きな肉の塊を!

牛肉で麺が見えないラージサイズ
牛肉で麺が見えないラージサイズ

ちなみにこれは数年前に友達がオーダーしたレギュラーサイズ。それでも牛肉でかいし、牛肉多め。

レギュラーサイズは辛うじて麺が見える
レギュラーサイズは辛うじて麺が見える

一口すすれば、シイタケのうまみとほのかな香り、牛肉のうまみ、肉を煮込んでいた鍋の煮汁の味が混ざり合い、濃厚かつ何ともお上品な味のスープ。

この澄んだスープを見て♪
この澄んだスープを見て♪

シャキシャキのもやしと空心菜の歯ごたえを楽しみながら...

ほろりと崩れる柔らかく煮込まれた牛肉
ほろりと崩れる柔らかく煮込まれた牛肉

大ぶりの牛肉がお箸で崩れる様子を眺めつつ、お口へ。鍋で煮込まれていた様々な調味料が、大きな肉の塊にギュッと染み込み、ひと噛みするごとに肉汁と共にあふれてくる。シンプルなクイティアオのスープと濃厚な牛肉のエキスが絡み合い、まさに天国!
胃袋に空きがあるならずっと食べていたい魅惑の味だ。ああ、本当にこの店が近くにあれば毎日通うのに!

日本と違う感覚。麺について

ラーメンはもちろん、蕎麦、うどんに至るまで、すべて喉越しや歯ごたえが重要な我ら日本人。日本から訪れた旅行者が、この店の麺を食べた場合「モチモチ」「のど越し」「弾力」という表現は使わないと思う。
乾麺の米麺を使っているお店なので、麺に何かできたとしても茹で具合で調整できるのみ。限度があるのだ。
・極細麺にすればスープは絡むがふにゃふにゃで柔らかいが、ボツボツ切れる
・細麺は極細麺よりは弾力があるように感じるだろう。
・太麺であれば「きし麺」程度の太さになるから弾力は感じるが、のど越しはない。
この店ではオーダーから2,3分で出て来る。茹ですぎはないので、食感は悪くない。スープも肉も、ありえないほど美味しいのだが、麺はあくまでも個人の感想により違うように感じている。
次はあなたが自分の舌で確認してきてね!

クイティアオ ヌア ナーイ ソーイ
※ก๋วยเตี๋ยวเนื้อนายโส่ย(Kuay Teow Neua Nay Soy)
所在地:100/4-5 Phra Athit Rd, Chana Songkhram, Phra Nakhon, Bangkok
営業時間:7時~21時
Faebook:Kuay Teow Neua Nay Soy
定休日あり

タイ大好きトラベルライター

タイ旅行・タイエンタメ関連ライター。25年前タイにはまり「住んだら飽きるかも?」と1年住んで、ますますハマってしまいタイ大好き病が悪化。タイ関連記事は旅行、映画、ホテル、タイ芸能人・文化人インタビューなど多媒体&多岐に渡る。個性あるタイのホテルが大好きで泊まり歩く日々。特に好きな都市はチェンマイ、チェンライ、カオラック、バンコク、ホアヒン。ライター・編集者歴30年。大手音楽事務所宣伝部を経て某バンドの会報ディレクション、映画情報誌・旅行誌・インバウンドサイト・旅行サイトなど多くの編集部で執筆・編集を行ってきたライター・編集ひと筋のヒト。

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