週末は関東平野部で雪か、積雪の可能性も
下層寒気の予想が強まる
先週末は東京都心や横浜などで初雪を観測しましたが、今週末も再び関東平野部で降雪の可能性があります。これは関東平野部で最も降雪となりやすい南岸低気圧が通過するためです。
このパターンで降る関東平野部の雪はいつも難解で、わずかな下層寒気の強さや風向きのブレなどにより、雨かみぞれか雪か、あるいは積雪が生じるような雪に変化するため、その見極めが直前まで大変難しくなります。
ここで雪になるかどうかの単純な目安となるのが下層寒気と呼ばれる上空1500メートル付近の寒気の強さです。関東平野部の場合、雪が交じる最低条件としては0度以下の寒気に覆われることで、さらに-3度以下ならば、みぞれはもちろん雪に変わる可能性も大きくなります。(最終的には上空500メートル付近で0度以下の寒気がもっと重要になります。)
下層寒気の予想をみると、上図のように、今週末20日(土)正午には、0度以下の寒気に関東地方はスッポリと覆われ、関東北部には雪の可能性が大きくなる-3度以下の寒気がくさび状に突っ込んでくる計算です。この下層寒気の予想は、きのう16日(火)の時点よりやや強くなり、東京都心を含め、関東平野部での降雪の可能性は大きくなった感じです。ただ今後も計算変わりの可能性が考えられるため、できる限り最新の計算をみていくことが重要です。
内陸中心に積雪も
では、現時点での雨やみぞれ、雪の予想を詳しくみてみましょう。
関東地方で降水現象が始まるのが20日(土)昼前とみられ、群馬県など、北部や山沿いでは雪ですが、東京都心など、平野部は多くの所で、雨の予想です。ただその後、夕方から夜にかけて、降水域が広がるとともに気温が低下し、雪やみぞれの範囲が平野部にも広がる予想です。
都内でみると、八王子などの多摩地方は雪が主体で降る可能性が大きく、東京23区あたりでも、夜はみぞれの予想となっていて、このあたりは気温1度の違いで、雨かみぞれか雪かに変わるため、難解です。また山沿いでは雪が積もり、平野部でも内陸を中心に、積雪となる可能性も十分に考えられるため、要注意です。
東京も雪予報に
ウェザーマップによる最新の予報では、20日(土)は千葉などの沿岸部を除き、雪が主体で降ってもおかしくないような予報となっていて、東京の予報も、曇り時々雪か雨と、雪の可能性の方が高い予報に変わりました。
宇都宮、前橋、八王子の最低気温は0度から1度で、積もるような雪となる可能性があり、東京都心も2度の予想で、あと1度でも気温が下がれば、積雪が生じてもおかしくない気温となります。
なお21日(日)は南岸低気圧が近づくとともに、下層寒気は弱まり、関東平野部では雨が主体となりそうですが、山沿いでは雪で降り続く可能性があり、関東北部や山梨県などは、大雪に注意が必要です。