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王将戦リーグ天王山! 羽生善治九段(50)と永瀬拓矢王座(28)の3戦全勝対決は序盤から緊迫の展開

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 11月3日10時。東京・将棋会館において王将戦リーグ▲永瀬拓矢王座(3勝0敗)-△羽生善治九段(3勝0敗)戦が始まりました。

 リーグの大きな山場とも言える全勝同士の対戦。勝った方が豊島将之竜王(4勝0敗)に並ぶこととなります。

 永瀬王座の今期成績は28勝10敗2持将棋(勝率0.737)。対局数40、勝数28は全棋士中のランキングトップです。

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 一方の羽生九段は13勝9敗(勝率0.591)です。

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 両者の過去の対戦成績は羽生九段4勝、永瀬王座7勝です。

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 初対戦から永瀬王座が4連勝し、羽生九段が1勝を返す、という星取りは藤井二冠と羽生九段の関係とも同じです。

 2016年の棋聖戦五番勝負は羽生九段が3勝2敗で防衛。通算95期目のタイトルとなりました。

 2019年の王位戦リーグ白組プレーオフは羽生九段の勝ち。羽生九段は通算1434勝目をあげて、大山康晴15世名人の公式記録を抜き、史上1位の記録を更新しています。

 羽生九段はその後も勝数を増やし、現在は1469勝です。

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 豊島竜王は昨日、佐藤天彦九段に勝って、通算500勝を達成しました。

 本局、先手番は永瀬王座。戦型は相掛かりとなりました。

 まず永瀬王座は飛車先の歩を交換したあと、強く横歩を取ります。ここは大きな岐路で、横歩を取らない指し方も考えられました。

 羽生九段は角交換のあと、永瀬陣に1か所だけ生じているスキに角を打ち込み、成って馬を作ります。対して永瀬王座はその馬を封じ込め、機を見ての生け捕りをねらいます。

 11時40分時点では、35手目、永瀬王座が馬に寄せて金を寄ったところまで進んでいます。形勢はほぼ互角ながら、序盤で早くも緊張感漂う展開となっています。

 12時0分から40分までは昼食休憩。再開後、夕食休憩はなく、終局まで指し続けられます。持ち時間は各4時間。通例では夕方から夜にかけての終局となります。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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