なぜ?前澤ファンド『LOVOT』のGrooveXの全株取得 総額133億円+バリュエーションの価値
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/kandatoshiaki/00287172/title-1647568603145.jpeg?exp=10800)
KNNポール神田です。
前澤友作氏のファンド、『前澤ファンド』が、『LOVOT(ラボット)』の『GROOVE X』株を2022年4月をめどに全株取得すると発表した。『GROOVE X』の林要CEOは職務を継続。
ロボットベンチャー「GROOVE X」(東京都中央区)は(2022年3月)15日、前澤友作氏が運営する前澤ファンド(東京都港区)が全株式を取得すると発表した。前澤氏は「GROOVE X」が手掛ける家族型ロボット「LOVOT」を通じ、家庭用ロボット事業に参入する。
前澤ファンドは、INCJが保有する株式を取得し、15日時点で「GROOVE X」の過半数の株式を保有。4月5日時点では全株を取得する予定。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8d4fce6e8d232e13e0f91ab907a1b095273fb57b
GROOVE Xの創業者で社長の林要氏は職務を継続し、前澤ファンド 代表取締役の前澤友作氏とともにLOVOT事業を推進していく。
「LOVOT(らぼっと)」を2018年10月に発表。「人の愛する力を育む」というコンセプトなどが高い評価を受け、GROOVE Xの業績も「直前期で前年比300%を超える売り上げを記録」(林氏)しており好調に推移している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/bd5266f7c58491fbae7d10932a551e92d4ab1bf8
発表と同時に前澤氏や林氏のTweetが続く。
■株式会社INCJ(元・産業革新機構)株を前澤ファンドが取得
INCJ保有のGROOVE Xの株式を前澤ファンドへ譲渡が完了と発表。
株式会社 INCJ(本社:東京都港区、代表取締役社長:勝又 幹英、以下「INCJ」)は、同社が 保有する GROOVE X 株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:林 要、以下「GROOVE X」)の株式の全部を株式会社前澤ファンド(本社:東京都港区、代表取締役:前澤友作、以下 「前澤ファンド」)に譲渡することを決定し、このほど譲渡が完了したのでお知らせします。
■華麗なるコンバーティブルエクイティによる資金調達と実施のコミットメントで133億円調達
■2015年11月 GROOVE X 株式会社 設立
2016年、シードラウンドで『コンバーティブル・エクイティ(第三者割当による有償新株予約権発行方式)』で14億円の資金調達。
林要CEOは、『コンバーティブル・エクイティは、偽物のエンジェルと本物のエンジェルを見分けるためのリトマス試験紙』と例える。シード期に起業家が持ち株のシェアをなくさない手法として活用された。
■2016年10月4日、2回目のシード資金で11億円調達
https://groove-x.com/press_release/press_20161004.pdf
コンバーティブル・エクイティは新株予約権のため、バランスシート(貸借対照表)上は資本の部に計上される。ただし、第三者割当増資と異なり、調達資金は資本金や資本準備金には組み入れない。GROOVE Xは2016年1月と今回の9月の合計2回、コンバーティブル・エクイティを利用し、合計約14億円を調達しているが、資本金はいまだ創業直後と同じ100万円のままである。
■2017年12月4日 産業革新機構 他 GROOVE Xへ、78.7億円出資
産業革新機構が投資ということで、GROOVE Xが、日本の未来産業として位置づけられたことがポイントだった。投資のポイントは、すべてのスケジュールが寸分狂わずに達成していることと評価していた。まだ、影も形もないロボットに興味しんしんだった。
![出典:産業革新機構](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/kandatoshiaki/00287172/image-1647571871646.png?fill=1&fc=fff&fmt=jpeg&q=85&exp=10800)
未来創生ファンドとINCJを筆頭引受先とする最大64億5千万円の第三者割当増資に関する投資契約を締結
(2017年)12月18日(月)に、未来創生ファンドとINCJが各14億円を出資し、その他の引受先と合計で総額43億5千万円、その後INCJは21億円を上限とする追加出資を実行予定で、GXの資金調達額はこれまでの資金調達を含め、累計で最大78億7千万円
https://www.incj.co.jp/newsroom/2017/20171204-INCJ.html
2018年12月 LOVOT製品発表
2019年8月31日 LOVOT発売
2020年 SOMPOホールディングスと日立グローバルライフソリューションズらが18億円 累計124.1億円
https://www.businessinsider.jp/post-225811
2021年1月20日NTTドコモとの資本業務提携、第三者割当増資、日本政策金融公庫より総額9億円の追加調達。
調達累計額は133.1億円(2021年1月20日時点)
2022年、直前期で2021年の前年比300%を超える売り上げを記録というだけあり、バリュエーションをいくらで評価されたかが気になるが、133億円以上の可能性は多分にある。
前澤友作氏の登場により、これまでのラウンドを支えたきた投資家にも利益がゆきわたり、あらたな大口の支援者がいることにより、次世代LOVOTへの期待が高まる。
今年の夏で発売されてから、3年となる。ハードウェアは陳腐化すれど、家族と一緒にすごした記憶は、さらにアップデートされていくことだろう。
■前澤友作、2,400〜3,000億円の残額はいくら?
タレントとの交際や、お金贈り、宇宙旅行と話題にことかかない前澤氏だが、2019年ZOZOの株式を36.76 %を保有しており、ヤフーが、株式公開買い付けで発行済みのZOZO株50.1%を2,620円で買付け、4,000億円規模の買収が成立した。前澤氏には、2019年11月22日に1,020億874万1,097円が振り込まれた。ZOZO株の19%の株式の売却益(約1,500億円)だ。
ZOZO株を担保の融資額500億円を返済したとして、残りが1,020億円。そこから、源泉徴収で20%(所得税15%、住民税5%)で、204億円を税金で払うと、816億円の現金が残る。
ZOZO株の36%の株を持つ前澤社長が30%の株(9200万株)の売却を同意のうちの19%分(約1,500億円)だからまだまだ余裕だ!17%(約1,342億円)の株式が残っている。現金化すると20%の税金(268億円)が課税される。そこから、4%の売却があると、312億円で税引き後は249億円のキャッシュが入る。株は13%残る。この時点でキャッシュインは、1,065億円だ。
関東財務局提出の変更報告書によると、ZOZO株は、親会社であるZホールディングス中間株式会社が約49%を保有、第二位株主(約13%)は前澤友作氏であり、東証からPRIME試乗へ残るために、2.6%をに、一株当たり3745円で264億円で売却した。税引き後は、211億円でざっと1,276億円となった。 そして、ZOZO株はまだ10.4%残る。
一方、使う方も派手に使っている…。
前澤氏の今までのお金配りの総額で約32億円、宇宙からの全員の参加者数は1,000万人を突破で一人500円のKifutownの権利として約50億円(※まだ行使されていない)。宇宙旅行に100億円…。合計でざっくり200億円だ。それでもまだ、現金1,076億円以上は手元に残る。
そしてそこからが趣味と投資の両輪だ。
前澤氏の前澤ファンドは、規模の大小ではなく、ニッチで個性的な前澤氏の好みの『夢』に投資しているので今回のGROOVE X株の 推定135億円以上+バリュエーション投資は最大規模となるだろう。
■62.5億円のバスキアを80億円でオークションで売る?
前澤氏は、2枚あるうちの、2016年に62.5億円で買った、バスキア《Untitled》を競売に出品するとしている。
![出典:ジャン=ミシェル・バスキア「Untitled」](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/kandatoshiaki/00287172/image-1647572967342.png?fill=1&fc=fff&fmt=jpeg&q=85&exp=10800)
落札価格は80億円を上回ると見られる。
※なお、2017年の123億円のバスキアは現在も所有中。
前澤氏の関心がアートのバスキアから、人の心の癒やしへのLOVOTへと変化させたのは、何だったのかがとても気になる。
■前澤氏、初の133億円超えの巨大投資へ
![出典:前澤ファンド](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/kandatoshiaki/00287172/image-1647569872232.png?fill=1&fc=fff&fmt=jpeg&q=85&exp=10800)
GROOVE Xの現在の資金調達額は133億円を超える。
前澤ファンドは、2022年4月5日をめどに全株を取得予定だ。
全株となると、林要氏の持ち分とかが気になるが、少なくとも、ステークホルダーが前澤友作氏一人になるというのは、経営的にも安心だ。当然、儲けなんかよりも、夢と愛のある作品を作ってほしいと願う異例の株主だろう。
前澤ファンドの投資企業は現在16社を見てもよくわかる。
■前澤ファンドは、個性的な事業がそろった社会の問題解決企業群
いずれの事業社へも、資本金をみると…、
数千万円から数億円への投資だ。前澤氏の嗜好を色濃く反映されたポートフォリオといえるだろう。
株式会社 前澤ファンド
(株)マイホム
資本金 995,000円
屋根裏(株)
資本金 34,500,000円(資本準備金含む)
(株)小さな一歩
資本金 990,000,000円(資本準備金含む)
(株)トレッタキャッツ
資本金 831,040,000円(資本準備金含む)
犬猫生活(株)
資本金 4億5,020万円(資本準備金を含む)
フィッシュバイオテック(株)
資本金 36,937,500円
(株)アングラーズ
資本金 254,546,264円(資本準備金含む)
(株)ユカシカド
資本金 948,670,000円(資本準備金含む)
mederi(株)
資本金 251,005,300円(資本準備金含む)
(株)KURASERU
資本金 411,500,000円(資本準備金含む)
(株)OpenSky
資本金 799,998,500円(資本準備金含む)
(株)シーバルーン
資本金 214,960,000円(資本準備金含む)
(株)オクリー
資本金 119,573,772円(資本準備金含む)
(株)トイエイトホールディングス
資本金 30,100,000円(資本準備金含む)
(株)ペンマーク
資本金 516,509,610円(資本準備金含む)
(株)センキョ
資本金 303,032,500円
■『LOVOTは世界平和に貢献』
GROOVE X の林要(はやしかなめ)CEOは、SNS上で、LOVOTは世界平和に貢献できるのかもしれないとコメントした。
日々、世界ではいろいろな事が起きているので、物騒なニュースに不安になる事もあります。
そんな時にオーナーの方からの「あそこにLOVOTがいれば、あんな事は起きない気がする」といった趣旨の投稿を拝見することも多くあります。
その度に「この子たちは家庭の平和のみならず、世界平和のために微力ながら貢献できるのかもしれない」と勇気づけられます。
家庭の平和だって手に入れるのは簡単ではないのに、世界平和となると、とっても大きな山です。
だけど皆様と、この高い山を休まず登り続けていこうと思っておりますので、今後とも宜しくお願い申し上げます!
このメッセージを見て、ゼレンスキーとプーチンにLOVOTを贈呈してみてはどうかと感じた。
家庭の平和から世界の平和まで 突然、こんなに世界が変わっていくのをボクたちは目の当たりにしている。
LOVOT を見て攻撃的になる人はいないだろうし、なんらかの平和的解決のアクションができそうだ。
ゼレンスキー大統領に、ポーランドで暮らすウクライナの人やウクライナで不安に過ごす人へ向けて、日本からの応援で寄付を募り、日本の未来産業である『LOVOT』を送りませんか?むしろ、送る相手は『愛をなくした』プーチン大統領なのかもしれないが…。