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オリックス戦力外の21歳捕手、ローズ新監督の火の国サラマンダーズに入団「自慢の長打力で勝利に貢献」

田尻耕太郎スポーツライター
中川拓真捕手(火の国サラマンダーズ提供写真)

 プロ野球独立リーグ「ヤマエグループ九州アジアリーグ」の火の国サラマンダーズは27日、今季までオリックス・バファローズでプレーしていた中川拓真捕手(21)の獲得を発表した。

 中川は愛知県出身。豊橋中央高校から2020年ドラフト5位でオリックスに入団した。高校時代に通算44本塁打、二塁への送球は1秒83をマーク。オリックス入りしてすぐの筋力測定では、同期の山下舜平大や来田涼斗らをおさえて高卒新人の中でトップの数値を叩きだしたと当時報じられた。

中学時代に砲丸投げで全国6位

 強肩強打を生むパワーの源の1つは「二刀流」にあった。中学校時代にはボーイズリーグで硬式野球に励むとともに、中学の陸上部にも所属。砲丸投げでジュニアオリンピックに出場し全国6位入賞を果たす実力者だった。

 だが、オリックスでは今季までの3年間で一軍出場はゼロ。二軍公式戦も1年目は14試合、打率.276にとどまり、2年目は46試合出場で111打席に立つも打率.210と成績を落とした。そして今季は20試合で19打席、打率.167と低迷。10月30日に球団から戦力外通告を受けていた。

 その後現役続行を目指して11月15日に12球団合同トライアウトを受験。打席では4打数無安打3三振も3四球を選んでいた。

元オリ荒西コーチが入団の縁

 中川は火の国球団を通じて「2024シーズン、火の国サラマンダーズでプレーします背番号10、中川拓真です。肩の強さ、強気のリードで投手を引っ張り、自慢の長打力で勝利に貢献します。日本一目指して頑張ります」と意気込みを寄せた。

 火の国の神田康範代表取締役兼GMは「この度、オリックス・バファローズに所属していた中川捕手を獲得できホッとしています。捕手の補強は課題だった中、素晴らしい選手が来てくれました。(新コーチの)荒西と同じオリックスに居たこともあり縁がつながりました。荒西の尽力にも感謝を表します。まだまだ若い中川捕手ですので、チームの勝利に貢献しながら自らのステップアップも目指してほしいです」とコメントした。

 火の国サラマンダーズは同リーグ屈指の強豪で、リーグ創設初年度から今季まで3連覇を達成。さらに独立リーグ球団の日本一を決める「日本独立リーグ グランドチャンピオンシップ」でも昨年、今年と2連覇を達成した。

 また、来シーズンからは「ハマの最強助っ人」と呼ばれた元横浜ベイスターズのロバート・ローズ氏(56)の新監督就任が決まっている。

 中川は12月5日、熊本市内で行われる新入団選手発表会見に出席する見込みだ。

中川拓真(なかがわ・たくま)

捕手。背番号10。2002年7月17日生まれ、愛知県豊橋市出身。右投右打。身長180cm、体重88kg

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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