NY金22日:ギリシャ不安が高まるも、ドル高回帰で小幅安
COMEX金6月限 前日比比0.10ドル安
始値 1,206.00ドル
高値 1,214.60ドル
安値 1,201.00ドル
終値 1,204.00ドル
ドル高が上値を圧迫するも、連休前のショートカバー(買い戻し)が膨らんだこともあり、小幅安に留まった。
アジアタイムに1,206~1,208ドルのレンジで揉み合いとなった後、ニューヨークタイム入り後に急伸した。ギリシャ債務問題に対する警戒感の他に、米市場が3連休に入ることで、短期筋のショートカバーが膨らんだ模様。ただ、その後はドル高連動で戻り売り優勢の展開となり、小幅ではあるがマイナス圏に沈んで引けている。
ギリシャは6月に国際通貨基金(IMF)に対する返済期限を控えているが、依然としてユーロ圏からの支援を引き出すことには成功していない。ギリシャ政府はこれ以上の緊縮措置に強く反発する一方、支援国側からはもう一段階の改革を求める声が強く、妥協点を見出せない状況に。このままの状況が続くと、IMF向けの債務返還がデフォルト(債務不履行)に陥ることになり、リスク回避イベントに対する警戒感が金相場の下値をサポートしている。
もっとも、為替相場は大きくドル高方向に振れており、金相場を断続的に押し上げることには失敗している。4月の米消費者物価指数(CPI)でコアが前年同月比+1.8%と、市場予測+1.7%を上回ったことで、米利上げが正当化できるとの観測が広がったことも、金価格に対してはネガティブに。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が年内利上げが適切との見方を示すなど、改めてFRB利上げ着手の方向性が確認されていることが、金価格の反発力を限定している。
引き続きギリシャ絡みの突発的な買い圧力には注意が必要だが、ドル高トレンドへの回帰が進む中、金相場は戻り売り対応が基本になるだろう。今後も当然にネガティブな指標が発表されれば、金相場が買われる余地は存在する。しかし、ドルの急落傾向にも一定の歯止めが掛かり始める中、戻り売り優勢の地合に回帰しつつある。本格的な値崩れを促すには更に良好な経済統計を積み重ねていくことが要求されるが、1,200ドル割れからチャート主導の売りも呼び込むことができるのかが問われる局面に。