「智弁学園より弱い」現場を守るべきオリックス瀬戸山球団本部長の身もフタもない選手批判
借金13で最下位に転落したオリックスの瀬戸山球団本部長が、選手への不満をぶちまけたようだ。ファンへのポーズもあったのだとは思うが、現場はフロントの配下にある存在だ。矢面に立たされるべきキーパーソンがクルっと向きを変え、攻撃する側に寝返ったのでは、選手はたまったものではない。
彼の間違いは3つあると思う。
まずは、不振の要因は「選手の気迫のなさ」だと思っていることだ。はたして、オリックスの選手たちはダラダラやっているのだろうか?低迷しているため、集団としての目標は見失いがちになるものだとは思うが、選手は生活がかかっている。チームとしての結果は残せていないが、彼らは精一杯プレーしていると思う。プロ野球の世界では、順位というものは基本的に戦力と運に左右されるものだ。
次は「智弁学園より弱い」だ。これは事実としてあり得ないし、彼はそんな思慮や選手へのリスペクトに欠けた報道を非難すべき立場にある。それが尻馬に乗っていてどうすると言いたい。プロ野球は、それこそ甲子園のエリート達がふるいにかけられて生き残った者だけが立てる舞台だ。このマスコミ報道は、そんな選ばれし者たちに対する侮辱行為だと思う。球団フロントは、現場の名誉を守るためにそんなメディアに噛みつかねばならない。
そして最後は、何と他人行儀な態度だということだ。今回の瀬戸山本部長の発言は、企業に例えるなら、株主総会で責任者が「経営不信の責は営業マンの敢闘精神の欠如にある」と弁明するようなものだ。彼は球団フロントとしての経験だけでなく、ビジネスマンとしてのキャリアも長いが、「部下を守るのが上役の役割」という基本中の基本を理解していないのだろう。
これでは選手がかわいそうだ。