激戦必至の近畿大会! 大阪桐蔭や智弁学園など出場
春の近畿大会は22日に大津市の皇子山球場で開幕する。例年、春の近畿大会は注目度がそれほど高いわけではない。しかし長引くコロナ禍で、一部を除いて対外試合への制約が多く、同府県内の練習試合はもちろん、練習すらままならない状況が続いている。公式戦で府県外の強豪と手合わせできるのはまたとない機会だろう。
現時点で有観客開催の予定
17日に発表された組み合わせをもとに展望を簡単に記したい。なお、滋賀大会同様、検温や消毒など万全の感染症対策を取って、現時点で有観客開催の予定である。
A綾羽(滋賀1位)-大阪桐蔭
滋賀大会で初優勝した綾羽が、全国屈指の強豪に挑む。
エースの矢野航成(3年)は、オーソドックスな右腕で、球威はそれほどでもないが、打者の手元で微妙に変化する球を投げる。ゴロが多くなると矢野のペースで、遊撃手の北出大貴(2年)らが堅守で支える。対する大阪桐蔭は、大阪決勝で近大付を16-0と圧倒した。4番に花田旭(3年)を起用するなど打線の組み替えや、センバツベンチ外投手の台頭もあって、戦力は劇的にアップしている。綾羽は、矢野が辛抱強く投げて、終盤勝負に持ち込みたい。
B智弁和歌山-神港学園(兵庫)
投打にバランスのいい智弁和歌山は、ライバル・市和歌山に快勝して、夏に弾みをつけた。エースの中西聖輝(3年)は、140キロ台中盤の速球に加え、変化球の精度も高い。打線は1年から4番を打つ徳丸天晴(3年)を軸に、集中打で相手を圧倒する。対する神港学園は、エース・加藤大(3年)が、県大会準々決勝から3試合連続完封を演じ、24年ぶり優勝の原動力となった。加藤が、強力打線を相手に粘り強く投げられれば、神港学園にも勝機が出てくる。
C立命館守山(滋賀2位)-京都国際
センバツで初陣を飾り、日の出の勢いの京都国際は、府大会でも圧倒的な強さで実力を証明した。左右ダブルエースの森下瑠大(2年)、平野順大(2年)もさらに成長していて、攻撃でも中軸に座る。
対する立命館守山は、県大会で近江を破るなど着実に力をつけてきた。エース・北村怜士(3年)は、スピード感のあるフォームから、伸びのある球を投げる。1年からマウンドに立つ信次陽和(3年)もいて、投手層は厚い。立命守山は、しっかり守って、京都国際を勢いづかせないことが肝心だ。
D滋賀学園(滋賀3位)-智弁学園(奈良)
県大会では2年生の新戦力を試し、3位に甘んじたが、実力は折り紙付きの滋賀学園が、秋に続いて初戦で智弁学園と当たる(タイトル写真)。秋は延長の死闘で、智弁が逆転サヨナラ勝ちし、優勝まで駆け上がった。智弁は春の県大会でもライバルの天理に快勝していて、全国トップクラスの実力を疑う余地はないが、主砲・前川右京(3年)に本来の当たりが戻っていないのが気がかり。滋賀学園は、エースの阿字悠真(3年)が、195球目をサヨナラ打された秋の雪辱に燃える。山口達也監督(49)は、「どれだけ攻められても、簡単に負けない投手」と信頼を寄せる。秋に続き、熱戦を期待したい。
近畿圏外からもファンが?
準決勝は、A-B C-Dで、準決勝まで1日2試合の4日間開催。有観客となれば、大阪桐蔭や智弁和歌山、智弁学園など人気チームの登場で、近畿圏外からもファンの来場が予想される。昨秋決勝、センバツ1回戦で激突した大阪桐蔭と智弁学園の3度目の対戦があるとすれば決勝。そうなれば盛り上がることは間違いない。
甲子園を意識した戦いに
春の大会は、注目度がそれほど高いわけではないが、今年に限っては、様相が全く違う。現場を預かる指導者にとっても、例年なら「遠征に出て強豪との練習試合で力をつける方が夏につながる」という時期に当たるが、それがかなわない今年は、いつも以上に、甲子園を意識した戦いになるだろう。