全国的に冷え込みが厳しさを増し、温泉が恋しい季節の到来である。

温泉の醍醐味のひとつといえば、露天風呂から望む開放的な眺望である。温かい湯に包まれながら、絶景を眺めることは究極のリラックス効果をもたらす。これからの季節は雪見風呂も楽しめる。

しかも、その湯の質が高ければ言うことはない。具体的には源泉かけ流しの湯船であれば、それこそパーフェクトな「絶景温泉」の完成だ。

そこで今回は、東北エリアに絞って源泉かけ流し＆絶景の温泉を5カ所選びたい。

黄金崎不老ふ死温泉（青森県）

日本海を一望できる波打ち際に建つ一軒宿。東北を代表する海の絶景温泉だ。波打ち際に設けられた露天風呂には、潮風が吹きつけ、すぐ近くまで日本海の荒波が押し寄せる。天候が悪く、海が荒れた際は入浴できなくなるほどだ。夕暮れ時の景色は格別で、塩分をふんだんに含んだ濁り湯が黄金色に輝く。宿泊客に提供される魚介類も新鮮でおいしい。

松川温泉・峡雲荘（岩手県）

八幡平の原生林に囲まれた秘湯の宿。名物の混浴露天風呂は硫黄が香る乳白色の湯が掛け流し。開放感あふれるロケーションで、春は新緑、秋は紅葉、これからの季節は雪景色が美しい。

大沢温泉（岩手県）

花巻南温泉峡の一角を占める大沢温泉は、２つの個性の異なる建物で構成される一軒宿。なかでも自炊部のある「湯治屋」は、昔ながらの湯治宿の雰囲気を残しており、リーズナブルな料金で湯治を体験できる。木造の入り組んだ館内と昔ながらの和室は、昭和を連想させる。絶景は川に面した混浴露天風呂「大沢の湯」。湯船からの風景は昔話の世界に出てきそうな懐かしさで、冬は雪見風呂が楽しめる。

新野地温泉（福島県）

磐梯朝日国立公園内に湧く一軒宿「相模屋旅館」。1230mの高地にありながら通年営業しているため、冬は雪見風呂が美しい。名物は水蒸気が噴き上がる源泉地帯の木道を歩いた先にある露天風呂。乳白色の硫黄泉が掛け流しされた湯船にゆっくり浸かりながら四季折々の風景を楽しめる。

乳頭温泉郷・鶴の湯（秋田県）

日本を代表する「秘湯」といえば、乳頭温泉郷が真っ先に思い浮かぶ。なかでも江戸時代にタイムスリップしたかのような風情が漂う「鶴の湯」は、乳白色の濁り湯が人気である。複数の源泉をもつが、最も絵になるのは混浴の露天風呂。足元から源泉がぷくぷくと湧き上がる貴重な源泉である。日中は日帰り入浴で混雑するので、宿泊して静かな時間を過ごすのがおすすめ。これからの季節は雪見風呂が楽しめる。

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