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ソフトバンク、V再加速に追い風!守護神オスナが「3軍戦先発」で超速昇格を目指す

田尻耕太郎スポーツライター
9日にみずほPayPayドームで練習をしたオスナ(筆者撮影)

 ソフトバンクは8日の西武戦(みずほPayPayドーム)に3-1で勝利して、今季ワーストだった連敗を4で止めて優勝マジックを「13」とした。Vロードを再加速させたいチームにさらなる「追い風」が吹きそうだ。

 守護神が早期復帰に意欲を見せている。ロベルト・オスナ投手が10日に行われる3軍戦・徳島インディゴソックス戦(タマスタ筑後)でマウンドに立つ。

 昨季は49試合に登板し3勝2敗26セーブ、防御率0.92と圧倒的な成績も今季は30試合登板で0勝2敗20セーブ、防御率3.99と安定感を欠き、7月5日に下半身のコンディション不良のため出場選手登録を抹消された。その後、腰の検査と治療のために一時日本を離れていた。

 約1か月滞在していた米国から6日に再来日したばかり。7日に本拠地みずほPayPayドームを訪れた際には「まだ時差ボケもある」と話していたが、それでも8日には西武戦の試合前練習に合流してブルペン投球も行った。さらに9日もみずほPayPayドームで調整して80m超の遠投などで精力的に汗を流した。

再来日からわずか4日でマウンドに

 8日のブルペン投球について、見守った倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)は「腕は振れているしバランスも良かった。あとは細かい制球とか、2か月近くバッターとの対戦から離れているので、感覚をちょっと詰めていかないといけないという話は本人ともしました」と話していた。

帰国中に減量に取り組んで11キロ減に成功したとの報道も(筆者撮影)
帰国中に減量に取り組んで11キロ減に成功したとの報道も(筆者撮影)

2019年、メジャーでセーブ王に輝いた当時のオスナ
2019年、メジャーでセーブ王に輝いた当時のオスナ写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 再来日からわずか4日後の実戦マウンドは異例ともいえるが、オスナの「一日も早くチームに貢献したい」という思いに首脳陣が応えたのはもちろん、首脳陣もオスナが万全の状態になって1軍復帰してくれるのを待ちわびているだろう。まさに両者の思惑が一致し、その舞台となるのが3軍戦となった。

 10日は、登板までの時間が分かっており調整しやすい先発でマウンドに上がる。倉野コーチは「20球をめど」と明かしている。1イニングを投げ終えて球数が少なければ、回跨ぎをする予定だという。

本人もチームも望む早期復帰

 最も気になる1軍昇格プランについては「(10日の)登板を見ないとなにも言えない」と倉野コーチ。ただ、通常リリーフ投手がファーム調整中に行う連投テストについてはペナントレース佳境ということで「本人が投げたいと言えばやらせますけど」と首脳陣サイドとしては否定的な見解を示し、やはり早期1軍の可能性があることを匂わせた。

 離脱者が相次いでいる救援陣。倉野コーチは腰痛で離脱中の藤井皓哉投手については「9月中(の復帰)はちょっと難しい」とし、右肩痛の松本裕樹投手についても「回復はしています。でも、10日間(の抹消期間)が明けてすぐ(1軍)というところには行っていない」と慎重な姿勢だった。苦しい台所事情の中で若手投手陣も踏ん張っており、彼らは間違いなく貴重な経験を積んでいるものの、オスナが復帰すればソフトバンク4年ぶりリーグ優勝への最後のブーストになるのはもちろん、その後の日本一という頂を目指すポストシーズンでの大きな好材料になることは間違いない。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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