加入検討国の国民たちが考える「TPPの加盟は自国にとって良いことか否か」
日本でも各種交渉が継続しているTPP(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement、環太平洋戦略的経済連携協定)。加盟の是非について検討をしている諸国の国民自身はどのような思惑を抱いているのだろうか。アメリカ合衆国の民間調査機関Pew Research Centerが2015年6月に発表した世界規模の調査結果「Global Publics Back U.S. on Fighting ISIS, but Are Critical of Post-9/11 Torture」をもとに、参加交渉国の国民感情を確認していく。
次に示すのは今調査の対象国のうち、TPPに加盟手続き・交渉をしている国において、その国自身にとって加入がプラスとなるか否かを、国民自身が答えたもの。ベトナムでは9割近くが加入を好感しており、否定派は2%しかいない
南米では大よそ好意派が多数で否定派は多くて2割程度。6割以上が好意派と、多数を占めている。一方日本やオーストラリア、カナダ、アメリカ合衆国は約5割が好意派、3割前後が否定派。日本は他国と比べてやや無回答・どちらでもないなどの意見が多い結果が出ている。国内報道を見聞きする限り、TPPの加入に関しては否定派が多いような感を覚えるが、少なくとも今件調査の限りでは日本国内では好意派が過半数、否定派は1/4程度でしかない。
調査報告書では一部の国について、世代別の回答率も掲載されている。日本のデータが非公開なのは残念だが、大よそ開示されている値の限りでは、どの国でも若年層ほど好意派が多い結果が出ている。
好意派が半数に届かないアメリカ合衆国だが、30歳未満に限れば2/3近くが好意派。その他の国も若年層では6割から7割の好意的な値を示している。恐らくは日本でも似たような状況なのだろう。
もちろん今件はあくまでも一般市民の心境心理による回答であり、実際にTPPへ加入してその国の経済が良くなるか否かはまた別の話である。
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