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エクストリーム・ミュージックの祭典EXTREME THE DOJOが復活。2019年3月&4月に開催

山崎智之音楽ライター
EYEHATEGOD / courtesy SMASH CORPORATION

エクストリーム・ミュージックの祭典EXTREME THE DOJOが遂に復活。2019年3月にVol.32、4月にVol.33が連続して開催されることになった。

2001年にスタートしたライヴ・イベントEXTREME THE DOJOは、世界のエクストリームでヘヴィなアーティスト達を迎えて開催されてきた。今回6年ぶりに蘇る2イベントは、復活を祝うに相応しい豪華かつ凄絶なラインアップを迎えて行われる。

NAPALM DEATH / courtesy of SMASH CORPORATION
NAPALM DEATH / courtesy of SMASH CORPORATION

【出演ラインアップ】

3月5日(火)大阪、6日(水)東京で行われるVol.32に出演するのはナパーム・デス、アイヘイトゴッド、ミザリー・インデックス、メルトバナナの4バンド。1980年代からエクストリームの極限を突き詰めてきた大ベテランのナパーム・デス、吐き気がするほど殺伐としたスラッジ・ドゥームを貫いてきたアイヘイトゴッド、デス&グラインドで襲うミザリー・インデックス、日本から世界に爆裂ノイズを響きわたらせるメルトバナナという、殺傷力の高すぎるラインアップだ。

4月8日(木)東京、9日(金)に開催されるVol.33にはフィリップ・H・アンセルモ& ジ・イリーガルズ、キング・パロット、PALMが出演。元パンテラのフィル・アンセルモが久々に日本上陸、しかも“plays PANTERA songs”という副題のとおり、セットリストの半分以上がパンテラ時代のナンバーというスペシャル編成となる。さらにオーストラリアの誇るグラインド・バンドのキング・パロット、日本を激烈ハードコア・サウンドで蹂躙してきたPALMという、強烈極まりない顔ぶれがステージを破壊する。

MISERY INDEX / courtesy of SMASH CORPORATION
MISERY INDEX / courtesy of SMASH CORPORATION

【見どころ】

EXTREME THE DOJO Vol.32 & 33の見どころと言ったら、もちろん全部!なのだが、各イベントごとに1バンドずつピックアップしてみよう。

2002年3月のVol.2以来17年ぶりの来日となるアイヘイトゴッドは破壊的なスラッジ・ドゥームと厭世的な世界観でアンダーグラウンドを席巻してきたバンドだ。その殺伐としたサウンドが災厄を招くのか、2005年にニューオリンズを襲った台風ハリケーン・カトリーナがメンバーの自宅を直撃、2014年には出演予定だったイベントKABUTO METALが中止に。2016年にはヴォーカリストのマイク・IX・ウィリアムズが肝臓移植を要する手術を行うなど、幾多のトラブルと遭遇してきた。

だが、彼らの音楽は世界中のファン、そしてメタル界のトップ・ミュージシャン達からリスペクトされており、マイクが手術でツアー不参加になったときはフィル・アンセルモ、そしてラム・オブ・ゴッドのランディ・ブライという、全米チャート上位の経験があるシンガー達が代打としてステージに上がっている。

なおギタリストのジミー・バウアーはダウン、スーパージョイント、コロージョン・オブ・コンフォーミティ、クロウバーなどでも活動するヘヴィ・ロックの重鎮だ。

フィル・アンセルモがフィリップ・H・アンセルモ& ジ・イリーガルズとして待望の日本帰還を果たすのがVol.33のハイライトだ。パンテラ時代には1996年に東京ベイNKホールで7千人の大観衆を前にして単独公演を行い、2001年にはBEAST FEASTフェスで堂々ヘッドライナーを務めた彼が、クラブ規模の会場で日本凱旋。しかもパンテラ・ナンバーの数々を披露するというのは、もはや畏怖すら感じるほどだ。

地球の向こう側で行われたライヴの演奏曲目がその日のうちに伝わってしまうネット時代ゆえ、検索すれば一瞬で判ってしまうが2019年2月、南米ツアーのセットリストを見ると、あまりの凄さに全身の身震いを禁じ得ない。

一時は社会的にバッシングされたフィルながら、その実力とカリスマ性は衰えを知らない。筆者(山崎)は2016年8月、ラスヴェガスでダウンのステージを見ることが出来たが、フィルはその空間の磁場をねじ曲げる存在感あふれるステージ・パフォーマンスで観衆を魅了した。

PHILIP H. ANSELMO & THE ILLEGALS / photo by Jody Drignac / courtesy of SMASH CORPORATION
PHILIP H. ANSELMO & THE ILLEGALS / photo by Jody Drignac / courtesy of SMASH CORPORATION

【伝説の数々】

EXTREME THE DOJOにはデス・メタルやブラック・メタル、ドゥーム・メタル、グラインドコアなど、あらゆるエクストリームなヘヴィ・ロック・バンドが出演、数々の伝説を生んできた。

アンスラックスやエクソダス、ケルティック・フロストなどのベテラン大御所もいれば、ハイ・オン・ファイアーやマストドンのようにグラミー賞を獲得する前、EXTREME THE DOJOのステージに上がったバンドもいる。AxCxのセス・パットナムやナザムのミエツコ・タラーツィクのように、この世から去ってしまった人もいる。

EXTREME THE DOJO Vol.32 & 33において、はたしてどんな伝説が生まれるか。ライヴ会場を訪れる1人1人が、エクストリームの歴史の証人となる。

なおナパーム・デスとメルトバナナはEXTREME THE DOJO Vol.32出演後、3月8日(金)に石巻、10日(日)に札幌でライヴを行うことも発表されている。

【公演日程】

EXTREME THE DOJO Vol.32

NAPALM DEATH / EYEHATEGOD / MISERY INDEX / MELT-BANANA

- 2019/3/5 (Tue) 大阪 Umeda CLUB QUATTRO

OPEN 17:45 START 18:30

- 2019/3/6 (Wed) Shibuya CLUB QUATTRO

OPEN 17:45 START 18:30

https://www.smash-jpn.com/live/?id=3056

NAPALM DEATH / MELT-BANANA Japan Tour 2019

- 2019/3/8 (Fri) 石巻 BLUE RESISTANCE

OPEN 18:00 START 18:30

- 2019/3/10 (Sun) 札幌 SPiCE

OPEN 16:30 START 17:00

https://smash-jpn.com/live/?id=3055

EXTREME THE DOJO Vol.33

PHILIP H. ANSELMO & THE ILLEGALS / KING PARROT / PALM

- 2019/4/8 (Mon) 東京 恵比寿 LIQUIDROOM

OPEN 18:00 START 19:00

- 2019/4/9 (Tue) 大阪 Umeda CLUB QUATTRO

OPEN 18:00 START 19:00

https://smash-jpn.com/live/?id=3096

courtesy of SMASH CORPORATION
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音楽ライター

1970年、東京生まれの音楽ライター。ベルギー、オランダ、チェコスロバキア(当時)、イギリスで育つ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、一般企業勤務を経て、1994年に音楽ライターに。ミュージシャンを中心に1,300以上のインタビューを行い、雑誌や書籍、CDライナーノーツなどで執筆活動を行う。『ロックで学ぶ世界史』『ダークサイド・オブ・ロック』『激重轟音メタル・ディスク・ガイド』『ロック・ムービー・クロニクル』などを総監修・執筆。実用英検1級、TOEIC945点取得。

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