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【那覇市】「コーヒー愛好家必見!沖縄で楽しむ本格スペシャルティコーヒー体験」

リトルマスタ文筆家兼音楽家(那覇市)
焙煎した豆の選出作業

沖縄では医食同源のことを「ぬちぐすい」といい、その哲学は脈々と受け継がれているが、ポリフェノールを含むコーヒーも適量なら身体にいいとされている。また、沖縄は、生産地としてもコーヒーベルトの北限に位置しており、近年、数々の課題をものともせず、珈琲栽培に挑む事業者も少なくない。スペシャルティコーヒーという概念が浸透して久しいが、沖縄はホットスポットなのでは、と思っている。

産地、焙煎度合い、特色を参考に珈琲豆を購入できる。
産地、焙煎度合い、特色を参考に珈琲豆を購入できる。

2022年2月に沖縄県内2号店としてオープンしたYAMADA COFFEE OKINAWA 那覇泊店は、県内で多くのカフェに焙煎豆を提供し、焙煎所もカフェになっており、生豆から抽出までの過程を楽しむことが出来る。各国から届いた生豆の特性を活かしたブレンドの種類も豊富で、シーズンごとの発見が楽しみだったりもする。代表の山田浩之さんに、焙煎を始めたきっかけや、こだわりなどを聞いてきた。

焙煎途中経過を細かく確認する山田浩之さん
焙煎途中経過を細かく確認する山田浩之さん

-コーヒー屋さんを始めたきっかけを教えてください。サードウェーヴの影響などあったのでしょうか?

「1番大きなきっかけの1つは、まず僕の父が既にコーヒービーンズショップをやっていたっていうことですね。その後その会社に就職することになりました。21歳位の時です。僕が業界に入った時は、まだブルーボトルは日本に入ってきてなくて、多分ブルーボトルっていう名前を知っている人もほぼ国内にはいなかったと思います。ただ、急速に業界がスピード感を持って変革している時でした。まだスタバ全盛期です。2015年には事業継承して、翌年には店内を改装したりして今の形態になっています。」

-お店の一番のこだわりは、どういったところになりますか?

「やはり、生豆、素材そのものの選球眼ですね。で、僕らの考えとしては、素材のポテンシャルとか素材の力を超えるものっていうのはなくて、素材に勝る技術なしって言う僕らのポリシーがあるので、素材だけはこだわっていこうと思っています。」

筆者は長らく色々なアーティストのレコーディングに従事してきたが、原音に忠実なる録音すなわち、ハイフィデリティ、Hi-Fi Soundという考えに近いのだなと思う。つまり、元々の素材のクオリティが最も重要で、焙煎や抽出といったプロセスは、この豆にはこの方法しかない、というくらい素材が主張してくるのが、スペシャルティコーヒーの世界なのだ。

-焙煎の技術的なところはいかがでしょうか?

「勿論、ローストっていうのはコーヒーを提供する上で、すごく大事な仕事の1つである事は間違いないです。ただローストをうまくやることで、コーヒーを美味しくするって言う事はまぁ語弊を恐れずに言うと、そんなことはありません。ローストの良し悪しよりも、そもそもの原料の良し悪し、そこがコーヒーのおいしさにとっては、大原則と言うべきなのかなということになります。焙煎にこだわりがあるのか、ないのかと言われれば、あります、と答えます。ただそれよりも重視しているのは、やっぱり素材の良し悪しです。」

ドリップコーナー
ドリップコーナー
エスプレッソマシーン
エスプレッソマシーン

コーヒー生産地としての沖縄の可能性を聞いてみた。

「ほんの5年前、10年前は沖縄で良いコーヒーができるとかって言う未来を想像することができなかったのですよね。ですが、それは良い意味で見事に裏切られて今に至っていると思います。台風対策をどうするか、どう量産体制を取って行くか、品質をきちんと評価するための規格基準をどうコンセンサスを取って決めて行くか、など課題山積ではあるのですけども、成功例も出てきていますよね。」

カフェオレベース販売中
カフェオレベース販売中

取材当日は、アイドリングタイムを目指して時間設定していたのだが、インバウンド客で満席だった。地元のお客を大事にしたい山田さんが、観光客ばかりだと地元の人が店に入りづらいかな、と気にしていたのが印象的だった。

インバウンドについては、爆買いなどの「モノ消費」から「コト消費」へとなってきているという傾向があるが、一杯のコーヒーをそのストーリーとともに楽しむのも「コト消費」だと言える。たまたまGoogleで見つけたお店かも知れないが、特別な時間を享受し、また沖縄に来て欲しいし、気に入って沖縄に住んでみるというのも大歓迎だ。万国津梁の鐘は今も鳴り続けている。

珈琲豆に真摯に向き合い、最適なブレンドの妙を実験し続けるラボにて、継続的に珈琲体験をするという楽しみは住んでいる人々にしか味わえない特権だと思う。エチオピア、コロンビア、インドネシア、など世界各地から取寄せられた珈琲を飲みながら原産地に思いを馳せ、空想の旅をするという体験により、新たな閃きやアイディアが産まれるかもしれない、と思わせるYAMADA COFFEE特有のロングトーン(口の中に長く残る)な味わいをぜひ体験して下さい。

*基本データ

名称:YAMADA COFFEE OKINAWA chapteR那覇泊店

住所:沖縄県那覇市泊2-15-6

営業時間:10:00-17:00 月曜定休

公式サイト:http://yamadacoffeeokinawa.com/

https://www.instagram.com/yamadacoffeeokinawachapter/

文筆家兼音楽家(那覇市)

音楽アーティストとしての活動の一方、レコード会社A&R⇒音楽ライター⇒インディーレーベル主催⇒CSTV番組プロデューサー⇒キャリア公式携帯サイト運営⇒お笑いコンテンツマーケティング企画⇒行政観光振興事業プロデューサー⇒ドローンショー運営と渡り歩く。

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