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【那覇市】「那覇市指定無形民俗文化財登録芸能が一大集結。TSUNAGU2024に行こう!」

リトルマスタ文筆家兼音楽家(那覇市)
とまり会・地バーリー

 沖縄県にあって、都市化が一番激しい那覇市。琉球王国時代から有形無形の文化財が数多く存在する。獅子舞や路次楽(るじがく)など那覇市指定無形民俗文化財に登録されている芸能をはじめ、地域の自治会や保存会等によって長年受け継がれ、地域に根付いている芸能が多く存在する。都市化による課題もいくつかある中、市民・県民が地域の芸能文化に触れ、伝統文化に対する意識を高め、新たな担い手の発掘、育成へと繋げていくことを目的に、これらの芸能を一堂に集め舞台公演「TSUNAGU」が毎年入場無料で、実施されている。担当野底さんに思いを聞いてきた。

Q.色々な文化団体がありますが、抱えている課題はあるのでしょうか?

A. ほとんどの団体、保存会で、後継者問題はあると思います。一同に集結することで、沖縄県民、那覇市民に広く知ってもらいたいと思い継続してイベントを行っています。自分たちの文化継承を考えるきっかけになってくれればと思います。

Q.文化団体、保存会は先祖代々やってらっしゃる方が多いイメージですが。

A.今は、門戸は広いと思います。団体によっては、県外の方が参加している場合もありますよ。

 具体的なイベント参加文化団体を紹介しよう。

路次楽(るじがく)
路次楽(るじがく)

首里王府 阿波連路次楽(るじがく)御座楽(うざがく)保存会 : 路次楽、御座楽は那覇市指定無形民俗文化財。16世紀に中国から伝来した吹奏楽、宮廷音楽。路地楽は、哨ナ(つぉな)、笛、銅角(うしぶら)、うまぶら、大鼓、小鼓、両班(りゃんはん)、銅鑼、新心(シンバル)を使用。首里城での儀式、江戸上りなどで、練り歩く際演奏された。御座楽は琉球王国時代の宮廷音楽。阮、中三線、大三線、秦琴(しんきん)、新心(シンバル)、二胡、四胡、古箏(こそう)、琵琶、銅鑼、中阮、揚箏(やんちん)、排簫(はいしょう)、両班(りゃんはん)といった楽器を使用。首里城新春の宴の2025年1月1日-1月2日でも演奏される。

安里南之島(ふぇぬーしま)保存会、棒術、南蛮踊り : 那覇市指定無形民俗文化財。南方系の棒踊と大和の念仏踊が混合したような踊り。15世紀の初め頃にアジアとの交易を行っていた読谷(よみたん)の長浜から那覇の安里に伝わったとされる。赤ガンターと呼ばれるかぶり物が特徴的。

首里クェーナ保存会 : 琉球王国は祭政一致だったが、宗教儀式のトップが聞得大君であり、ノロとよばれる神のお告げが理解出来た女性達を率いて国家の安全を祈っていた。彼女達にのみ許された歌唱古謡がクェーナであり、航海安全をはじめ、建物の造営や衣服の織り方などを詳細に描写している。男子禁制の時代に、「ひやみかち節」の作者でもある山内盛彬が採譜し、文化継承に貢献した。

首里末吉町獅子舞い保存会 : 末吉町の獅子舞いは、約250年の歴史を持ち、那覇市民俗無形文化財に指定されている。平良の獅子と末吉のガン(棺桶を担いで運ぶ、琉球伝統の葬具)を交換したのが始まりだと言われている。毎年旧暦の八月十五夜には町に入ってくる邪気を追い祓う舞、「御美御拝(ウヌフェー)」が野呂殿内にて奉納される。末吉公民館には「神獅子」と呼ばれ、末吉町から外へは出ない門外不出の獅子が鎮座する。

とまり会・地バーリー : 通常のハーリーは豊漁・海上安全を祈願し、各集落港湾などにて実施されていた(現在も継承中)。一方、中国(明、清王朝)から派遣される冊封使をもてなすため、首里城の龍潭池で爬龍船競漕を行うことが恒例となっており、那覇から首里までの5kmほどの陸路を船をかついで運搬していた。そのパレード化した陸地での行事が継承されており、地バーリーと言われる。

久茂地盛鶴(むいじる)保存会、旗頭 : 旗字は與鳳翔(よほうしょう)。旗頭は那覇が発祥。旗頭の歴史は古く、「村のシンボル、まもり神」として大切にされてきた。盛鶴とは、千年の寿命をもつといわれる鶴に松竹梅を配し慶びごとが永く続くようにと願いが込められた、とてもおめでたい旗頭。天空の鳳凰が雲の上を飛んでいる鶴に大きな力を与えてくれると言う意味で、我等に力を与えてくれると言う願いがこめられている。

 他にも、地元以外ではおそらく初披露となる、字大嶺向上会(字大嶺獅子舞保存会・字大嶺青年会)演舞、ゲスト枠となる知名青年会(南城市/胡蝶の舞)演舞が実施される予定。なお、残念ながら、解散届出を予定している、国場民俗芸能ウズンビーラ(琉球王朝時代に国王の前で田を耕す勝負で国場が勝利した際、歓喜のカチャーシーを躍りながら地元(国場)まで帰ってきた様子を、芸能に発展させたもの)についてはドキュメント映像を放映するとのこと。

 入場無料・申込不要ですので、皆様お誘いあわせの上、ぜひご来場くださいね。

*基本データ

名称:地域文化芸能公演「TSUNAGU 2024」

開催場所 : 那覇文化芸術劇場なはーと(沖縄県那覇市久茂地3-26-27)

開催日時 : 令和7年1月26日(日) 開演15:00(開場14:00)

電話 :【制作】丸正印刷株式会社 TEL:098-835-8181(平日9:00~17:00)

公式サイト : https://www.nahart.jp/stage/tsunagu2024/

令和6年度文化芸術ふれあい事業/なは教育の日関連事業

来場の前に昨年度の様子をおさらいしておこう!

TSUNAGU2023の模様(公式映像)

文筆家兼音楽家(那覇市)

音楽アーティストとしての活動の一方、レコード会社A&R⇒音楽ライター⇒インディーレーベル主催⇒CSTV番組プロデューサー⇒キャリア公式携帯サイト運営⇒お笑いコンテンツマーケティング企画⇒行政観光振興事業プロデューサー⇒ドローンショー運営と渡り歩く。

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