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【那覇市】「祝!泡盛、ユネスコ無形文化遺産登録。泡盛の魅力を老舗酒造所担当に聞いてきた。」

リトルマスタ文筆家兼音楽家(那覇市)

 泡盛が先日、日本酒などと一緒にユネスコ無形文化遺産に登録された。行政担当者や、酒造組合、関係者が数年前から登録に向け働きかけをしていたので、無事登録されて本当によかったと思う。喜びの熱が冷めないうちに、老舗である瑞泉酒造の担当者、長堂さんと與儀さんにお話をうかがった。

 登録達成できた理由を聞いてみた。当初は日本酒などで登録を進めていたらしく途中から泡盛も含めての登録申請となったようだ。まず泡盛の伝統的な酒造りの歴史は600年以上にわたり、琉球王国が統一されてからは、琉球王府は高い品質を保持するために、首里三箇と呼ばれる首里の城下町、崎山・赤田・鳥堀でのみ泡盛の醸造を許可し厳しい管理下におき、伝統の味を守り続けてきた。(瑞泉酒造は、1887年(明治20年)に喜屋武幸永により喜屋武酒造場としてこの首里崎山で創業され、崎山で培われた酒造りを継承。)この泡盛造りの伝統と歴史が評価された。また、泡盛醸造過程で不可欠な黒麹菌は、沖縄独自の発酵文化でこの点も評価されたとのこと。第二次世界大戦沖縄戦、10・10空襲で那覇、首里は壊滅的な被害を受け焼け野原となり、戦後2-3年、酒造りは手つかずであったが、親戚でもある咲元酒造の酒造りの過程で使用するゴザにわずかに黒麹の胞子が残っており、胞子を提供してもらったとのこと。ゆいまーる (協力し合うの意) 美談だと思う。

黒麹
黒麹

 老舗酒造所として、瑞泉酒造の登録実現後の期待や影響はどうなのだろうか?一番の期待は海外市場と外国人観光客と思ったが、現状、輸出先は、中国、米国、台湾、韓国とのこと。コロナパンデミックの影響は大きくいまだ回復中とも。今回のチャンスをどう拡販に結びつけていくかが当面の課題。注目すべきは、登録ニュース後、沖縄県内のお客さんの見学、購入が増えたとのこと。自分たちがふだん浴びるように飲んでいる泡盛が実はすごい文化だったのだと再認識されているようだ。

 売れ筋泡盛を聞いてみた。

おもろ10年 : 甕貯蔵によるコク深さが特徴の古酒。アルコール度数は43度。グラスに注ぐ時の至福の薫り、口に含む時に広がる古酒独特のまろやかな味わいが絶品。

御酒(うさき) : 東京大学に保管されていた大戦の戦火をまぬがれ脈々と生き続けた黒麹菌により奇跡的に発酵に成功した唯一無二の泡盛。とても飲みやすいとのこと。アルコール度数30度新酒。

 令和6年泡盛鑑評会受賞酒。

瑞泉古酒 : 令和6年度泡盛鑑評会において、古酒の部で、沖縄県知事賞受賞。最も品質優秀と認められた泡盛。アルコール度数42度。限定240本、シリアルナンバー付。

瑞泉原酒五十二度 : 令和6年度泡盛鑑評会において、高濃度泡盛の部で、沖縄国税事務所長賞受賞。新酒。アルコール度数52度。沖縄県産米を使用。代々受け継がれた黒麹による全麹仕込み・常圧蒸留から生まれ、全体的にキノコのような香りとバターのようなオイリーさがとても力強く、重厚なお酒。お薦めの飲み方は、冷凍庫でしっかり冷やし、強炭酸で割る(1:9 , 酒:炭酸)。

 お酒が少々苦手な方へのお薦め商品。

Kabuchii : 沖縄本島北部、やんばる産の柑橘・かーぶちーを使用した泡盛仕込みのリキュール。柑橘系の香りとフレッシュ果汁のさわやかな飲み口。飲み方はロックやソーダ割り、またはカクテルベースで。

梅酒 : 黒麹、全麹仕込みの「琉球泡盛」、和歌山の誇る「紀州南高梅」とミネラルやビタミン類が含まれている「沖縄黒糖」を使用し、3つの要素がバランス良く整った上質な味わい。

 お酒が飲めない方へのお薦め。

 お酒が飲めない方へのお薦めが、もろみ酢になり、無糖(青色ラベル)ときび糖入り(黄色ラベル)がありどちらもソーダ割り、水割りで楽しめる。黒麹菌により生成されたクエン酸とアミノ酸がたっぷり含まれ、添加物を一切加えず仕上げられたのが『もろみ酢』ークエン酸飲料ー、青色ラベル。黄色ラベルは、『琉球もろみ酢』に、まろやかな甘味が特徴の“きび砂糖”を加え、ビタミンB群を中心に栄養機能を強化した瑞泉「もろみ酢」加糖タイプ。

 年末、年始お酒を飲む機会も増えるかと思いますが、飲み過ぎには注意してくださいね。

*基本データ

名称:瑞泉酒造株式会社

場所 : 沖縄県那覇市首里崎山町1-35

営業時間 : ショッピング 9:00-17:00 見学・ご案内最終受付 -16:30

定休日 : 日曜、祝日、祭日、その他 

電話 : 098-884-1968

公式サイト: https://www.zuisen.co.jp/

文筆家兼音楽家(那覇市)

音楽アーティストとしての活動の一方、レコード会社A&R⇒音楽ライター⇒インディーレーベル主催⇒CSTV番組プロデューサー⇒キャリア公式携帯サイト運営⇒お笑いコンテンツマーケティング企画⇒行政観光振興事業プロデューサー⇒ドローンショー運営と渡り歩く。

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