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【河内長野市】西代は「にしだい?」「にしんだい?」。神楽と戎で有名な西代神社の前にある観音堂と地蔵堂

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野を含めた南河内地域は難解地名がいくつもありますね。私が引っ越しした直後はそれがわからず、例えばくろまろの郷がある高向を「たかむかい」と読んでしまい、とても恥ずかしい思いをしたことがあります。

陣屋門も模した長野小学校正門
陣屋門も模した長野小学校正門

ところでこれは最近になって知りましたが、西代も「にしだい」と読むものとばかり思っていたところ、本当は「にしんだい」というのが正式だと知りました。

西代は、短期間でしたが河内西代藩が存在し、陣屋(城の代わりに大名が住んで政務を行っていた場所)跡などの名残もあるので、河内長野中心部でも特別な雰囲気を感じます。

現在の西代地域の中心はやはり西代神社ですね。創建は不詳ですが、南北朝時代には多くの武将の崇敬をあつめ、江戸時代には西代大明神と呼ばれていたという西代神社の祭神は次の通りです。

  • 国常立尊(くにのとこたちのみこと)
  • 素盞嗚尊、足仲彦命(仲哀天皇)
  • 息長足比売姫命(神功皇后)
  • 品陀別命(応神天皇)
  • 武内宿禰命
  • 菅原道真公

また秋には西代神楽が奉納されます。一昨年は雨で隣の武道館で行われましたが、昨年は本来の神社境内で奉納されたので、厳かな雰囲気の下行われていたことを思い出します。

神楽の様子は動画にも撮りました。

西代神社のすぐ隣には西代地区の会館とだんじり小屋がありますが、神楽の帰りに、すでに西代のだんじりが翌日からの秋祭りを前に待機している様子が印象的でした。

さて、意外に知られていないかもしれません。神社の横にある西代の地車小屋と地区会館から道路を挟んだところには、観音堂と地蔵堂があります。

先日、西代観音堂と地蔵堂に立ち寄って見ました。目の前の道路が町の境界線になっているようで、神社や地区会館は西代町にあるのに対して、観音堂と地蔵堂は錦町になっています。

西代観音の扁額が見えます。

札に文字が書いてありますね。引用してみましょう。

伝承「安産の観音さま」十一面観世音菩薩 「西代の辻に託れる観世音大悲と」

それ以下は残念ながら文字がかすれていて読めませんでした。

岡田寺はこの坂「岡田寺の坂」の上にあったとの伝承があるらしい
岡田寺はこの坂「岡田寺の坂」の上にあったとの伝承があるらしい

河内長野市のページ(外部リンク)によると、この中にはかつて存在していて、今は廃寺となった岡田寺のものが収められているそうで、その中のひとつに「市指定文化財 磁器製 色絵富士山文絵馬」が観音堂改修時に発見され、現在は滝畑ふるさと文化財の森センターで保管されているそうです。

「三十三度供養」と刻まれているのが読めます。その隣には願主の文字も。おそらくはこの地域でよく見かける西国巡礼三十三度行者満願供養塔の可能性が高い気がします。

観音堂の隣には地蔵堂があります。

河内国二十四ヶ所厄除け地蔵霊場第十四番西代蔵之前地蔵尊と書いてあります。

その下には西代蔵之前地蔵尊の御詠歌が書いてあります。

「われねがう心のかたは西代のじぞうぼさつのみて頼みて」

右側には、地蔵尊の真言のあと 西代地蔵尊 西代蔵前地蔵尊 庄屋之木地蔵尊の3つの地蔵尊がひとつに合祀していると書いてあります。

神社の合祀はよく聞きますが、地蔵堂の合祀もあるんですね。それで数多くの地蔵菩薩が安置されている理由がわかりました。

どうしても西代神社の方に注目しますが、道路を挟んだすぐ目の前にあるので観音堂や地蔵堂にも立ち寄って参拝してみては如何でしょう。

本日9日から、えびす祭(十日戎)ですね。河内長野のえびす祭といえば、駅前の長野神社が屋台の出店も多く賑やかです。

しかし、西代神社にも西代戎があります。両者それほど距離があるわけではないので、両方見比べても面白いかなという気がします。

西代観音堂・西代地蔵堂

住所:大阪府河内長野市錦町13

アクセス:南海・近鉄河内長野駅から徒歩16分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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